表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2315/2989

凛編 リーダー役を配する

(そう)(かい)の群れについて詳しく触れると、ボスである二人が常に全体を指揮しているわけじゃなく、実はいくつかの<小集団>に分かれているらしい。


そしてそれぞれの小集団には<リーダー>とでも言うべき個体が存在する。


これは、パパニアンの群れの特徴によく似ているな。だが、(そう)(かい)もパパニアンの群れとは、興味本位で俺達に近付いて(偵察しに)きていた一部を見たことがあるくらいでそれ以外にはほとんど関わったことがないはずだから、真似をしたと考えるのは少し無理がありそうだ。


だが、(そう)(かい)も俺の子供で、俺の下で育ったから、地球人としての俺の考え方に影響を受けている可能性は十分に考えられるな。俺が(ひかり)を<チームB(ブラボー)>のリーダーにしたように、


<小集団を編成し適宜リーダー役を配する>


というのは、人間(地球人)なら普通に行うことだ。<俺の群れ>においては俺が<ボス>だが、ボスが一人ですべてを管理監督するなんてのはもちろん現実的じゃないわけで、多くをエレクシアに任せていたのは事実。そしてエレクシアは、同じメイトギアであるセシリアやメイフェアを指揮していただけじゃなく、子供達についても指揮監督役を務めてくれていた。


『頼れる者がいればその者を上手く使う』


ことが地球人社会では当たり前のように求められてきたし、俺もそのことを実践しようとは心掛けてきた。


もしかするとそんな様子を見ていたことで、自然と身に付いたのかもしれない。そしてそれを実践していると。


そうだとするなら本当に、


『親が何気なくしていることを子供はちゃんと見ていて、真似る場合もある』


のを親は自覚してわきまえるべきだとつくづく思う。反社会的な振る舞いをする親の下で育った子供が同じく反社会的な振る舞いをする傾向が強いというのも結局はそういうことなんだろう。もちろん常にそうなるとは限らないものの、少なくとも世間一般の印象として語られるようになる程度には実例もあるし、実際、家庭環境と子供の非行との因果関係については散々調べられてもきて、事実関連性も確認されているとのこと。メイトギアの普及でしっかり<記録>として残るから、確認も容易になる。


<人間の証言>だけでは正確性に欠けても、ロボットであるメイトギアは見聞きしたことをそのまま記録するわけで。


『言った言わない』


は、ロボットの前では通用しない。データを改竄する方法はないわけじゃないにしても、大した知識もない一般人にできることじゃないしな。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ