表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2309/2989

凛編 そんなにおかしなことでもない

(かい)のそれは、レオンとしては確かに奇異な行動ではあるが、人間としてのメンタリティをわずかに持ち合わせているであろう彼にしてみれば、そんなにおかしなことでもないんだろうな。


ただ、人間(地球人)の場合、兄弟姉妹であっても互いに助け合うようなことはしないのも少なくないようだ。


仮にも<家族>だったにも拘わらず、それこそ、


『関わりたくもない』


とまで考えてるのも珍しくなかったんじゃなかったか?


だが、それはなぜだ? と言うか、どうしてそんなことになる? 


普通に考えれば赤の他人に対してよりは<情>も湧きやすいはずだよな? なのに下手をすると赤の他人よりも遠い存在になってたりもするとか、俺にとっては不思議で仕方ない。


『近すぎるからだろ!』


とか言うかもしれないが、いや、それはおかしい。近い遠いに関係なく、相手は人間だ。そして赤の他人よりはよっぽど相手のことが見えるはずの立場にいるんだから、<内面>だって掴みやすいだろ。


『内面を見てほしい』


みたいなことを言うのも多かったが、家族ならそれこそ内面だって把握しやすいんじゃないのか?


なのに良好な関係が築けないのなら、それは、


『内面にこそ問題がある』


という意味になるとは思わないか?


内面に問題があるのなら、なるほどあまり関わりたいとは思わないだろうさ。


『相手のことが見え過ぎるから』


『裏の面を知ってるから』


だから関わりたくないような人間がそれほど多いということか。それでよく、


『人間は他の動物とは違う』


などと思い上がれるもんだな。と、感心するよ。


まあ、『違う』のは事実だと、俺も思うけどな。違うからこそ野生の動物では有り得ない振る舞いをするんだろうし。ただ、そのニュアンスとしては、『優れている』という意味の『違う』とは到底考えられないが。


さりとて、ちゃんと他者を敬い尊重することができる人間がいるのも確かだから今まで繁栄を続けられているんだろうさ。


俺の子供達がまさにそれだ。(ひかり)(あかり)ももちろん、まだまだ幼い錬慈(れんじ)もその片鱗を見せてくれている。ただただ我儘なだけじゃないんだよ。コーネリアス号のプラントで栽培された果物をおやつとして出してあげたりするんだが、萌花(ほのか)が特に好きなものが出たりすると、自分よりも彼女に多く分けたりもするんだ。


「おねえちゃん、はい♡」


って感じでな。


決して彼がその果物を苦手にしてるというわけじゃない。むしろ好きな部類のはずなんだ。けれど、萌花(ほのか)が、


「ありがと♡」


と喜んでくれるのが嬉しいらしい。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ