表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2273/2989

凛編 社会の安定を図るのを目的とした概念

しかし、それで言うと、実は(りん)の群れはそこまで、


『生きる力が強い』


とは言い難いだろう。決して弱いわけではないものの、レオンの群れとして見れば平均以下だと思う。(りん)(ゆう)も、(そう)(かい)に比べれば明らかに<格下>だしな。


これは決して馬鹿にしてるわけじゃない。あくまで冷静に客観的に分析するとそうなるというだけなんだ。


(りん)は兄達に比べて劣っている』


と言いたいわけでもない。俺にとっては全員、可愛い子供達なんだから。


しかし同時に、親だからこそそれぞれをよく知ってるわけで。


今でこそ立派に自立して<大人>として子供を育てたりもしてる(ひかり)(あかり)だが、小さい頃には<おもらし>をしてしまって困った表情(かお)をしてたことなんかもあったよ。


『自分じゃどうしていいか分からない』


からだろうな。決定的に経験値が足りないんだから当たり前だろう。そこで、


『なんでもっと早く教えない!?』


『なんでもっと早くトイレに行かない!?』


とか怒鳴ったところで、ただ怯えさせるだけだと実感してる。


人間は失敗する。ましてや未熟な子供の内はそれこそ失敗を重ねて経験を積んでいくことになるはずだ。


そして重ねた失敗も経験として吸収して、(ひかり)(あかり)も一人前の大人になってくれた。


その事実を認めればこそ、子供達それぞれが持つ能力についても、真っ当に評価できるようになると思う。


過大評価も過小評価もしない。


ただただ正当に評するだけだ。その上で、(りん)の群れはロボットにも守られているから、条件が同じ(そう)(かい)の群れを除けば、少なくとも他のレオンの群れじゃまったく太刀打ちできない状態ではある。


これを『狡い』と言うのもいるだろうが、<平等>なんてのも所詮は人間(地球人)が自分達自身を守るために、


<社会の安定を図るのを目的とした概念>


として作り上げたものでしかないからな。


人間(地球人)は、


<他者を妬む生き物>


でもある。野生の獣はあくまで<自身の目先の利>を求めて獲物やパートナーを奪い合ったりもするが、別に自分とはまったく関わりのない見ず知らずの相手までを妬んだりすることはない。


当然か。そういうのがいるというのを知る手立てがないからな。


だが、人間(地球人)って奴は、それができてしまう。普通に生きてるだけならその存在を知ることさえなかった相手についての情報まで手に入れられてしまって、その相手が自分より恵まれていると知れば、妬んでしまったりもするんだ。


で、その妬みを拗らせて<悪意>を生じさせ、厄介事を引き起こしたりすると。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ