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凛編 社会というもの

だから、地球人社会で人間をサポートしているロボット達も決して全知全能じゃないわけだ。しかし全知全能でなくても人間の暮らしを支えていくことはできる。


と言うか、普通の人間が普通に暮らしていく上で必要なサポートなんてのは、そこまでとんでもないものでなくてもいいはずなんだよな。そもそも人間がとんでもなくすごい存在ってわけでもないんだし。


日常のちょっとした困り事とかをフォローしてもらえればそれで十分なハズなんだ。


だから、ここで新しく作られていくロボット達にも、それ以上のことは求めない。


さりとて人間ってのは欲深い生き物でもあるのは事実。それゆえに、三十世紀頃にはもう十分な性能を備えていたはずのロボットについてもさらなる性能向上が図られて、正直なところ<過剰品質>とさえ言えるほどの性能を獲得するに至ったんだからな。


『日常生活において人間にプレッシャーを与えないようにするために人間そっくりのロボットを作り上げる』


なんてのも、まあ、


<より付加価値を付けることでセールスポイントにするための詭弁>


だろうし。


確かに、アリスシリーズやドライツェンシリーズやドーベルマンシリーズやホビットMk-Ⅱのようなロボット然としたロボットに対して違和感のようなものを覚える人間もいるそうだ。


まあ俺も、メイトギアに対して嫌悪感のようなものは持ってたし、そういうこともあるだろうなとは思うよ。


ただ、その種の感覚はどうしても人それぞれだしな。人間にサポートされたくないと言うのもいるくらいだから、すべての人間が納得するやり方というのはそもそもないんだろうさ。


どこかで折り合いをつけるしかないんだ。


そのために、あれほどロボットが普及し浸透してる社会であっても、


<ヘルパーという職業>


もなくなってなかったしな。


加えて、<AI・ロボット排斥主義者のコミュニティ>だとそれこそ人間のヘルパーしかいないわけで。


もっとも、募集をかけても思うように応募がなくて常に人手不足だったとは聞いてたが。


ロボットは使いたくないが、自分がヘルパーの仕事とかをするのも嫌だというのは、正直、どうかと思わなくもない。


その辺りからも、人間というのがいかに我儘な生き物かというのが分かる気がする。


<その我儘な生き物>で社会を作ろうというんだから、そりゃ一筋縄ではいかないよな。


しかしその一方で、以前も言ったと思うが、<社会>というのはそういうもののはずだ。考え方も価値観も感性も違う者同士で折り合って生きていくのが社会というもののハズなんだ。



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