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ホビットMk-Ⅱ編 バイアスがない

なんかまた話が逸れてる気がするが、<繋がり>があるからこそそうやって逸れていくというのも確かにある。


『一見しただけなら無関係そうに見える事柄でも、実は関連がある』


というのは、実際にあることだ。そこを蔑ろにしてちゃ、


<実効性のある対処>


ってのはできないさ。それどころか、


<その場限りの間に合わせにしかならない辻褄合わせ>


しかできなかったりする。だから本本的な解決ができなかった。


<イジメ問題>


なんかはそれこそその典型だったろうな。


えてして<加害者の行い>について責めるだけで、


<それをせずにいられない加害者側の背景>


を、


『関係ないから』


と軽んじて放置するから対処療法的な対応しかできなかったそうだ。その場を取り繕うことしかできなかったりしたんだと。それどころか、


『イジメは被害者側に問題がある』


だなどと、<責任転嫁>に走ろうとしたりという事例も数え切れないほど起こったとも。それはまあ、俺が地球人社会で生きていた頃にも普通にあったことだが。


とはいえ、それがまかり通ることはあまりなかったか。


なにしろ、学校などでも教師のサポート役としてメイトギアは配置されていて、人間である教師がついつい面倒がって生徒の様子をちゃんと見ていなくても、しっかりと生徒達を見守ってくれている。


様子がおかしい生徒がいれば寄り添って丁寧に話を聞いてくれたりもする。これも、人間だと上手く話せない子供の話とか、


『聞いてられない』


と投げ出しもするが、ロボットはそれを苦痛になんか思わないからな。


これは、<イジメられる側>に対してだけじゃなく、


<イジメを行わずにいられない側>


に対してもそうなんだ。


イジメは<犯罪>だ。


<イジメという行為>


そのものはすぐに犯罪というわけじゃないかもしれないが、


<イジメるために取る行動>


の多くは<触法行為>だしな。


暴力を振るえばそれはそのまま<暴行罪>だし、怪我をさせればそれこそ<傷害罪>だ。


また、被害者の持ち物を隠せば<窃盗罪>にあたるし、破損させれば<器物損壊罪>になる。


さらに、弱みに付け込んで金品を巻き上げれば<恐喝罪>で、無理矢理に何かをやらせようとすれば<強要罪>に。


加えて、被害者について悪い噂などを流せば<名誉棄損>にあたる可能性が高い。


子供同士でのそれらは、


『子供のすることだから』


と矮小化され見過ごされる傾向にあったが、ロボットには人間の心理において働くような<バイアス>がない。事実を事実のまま記憶し記録することができるんだ。



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