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ホビットMk-Ⅱ編 途方もない情報の海

『生きる』


というのは、


『途方もない情報の海の中で過ごす』


ということでもある。何しろ、目にするもの耳にするもの肌で感じるものすべてが<情報>だからな。


だが、そうは言ってもそれらすべての情報をいちいち気にしていては正気を保つことさえ容易じゃないだろう。なにしろ、普通に正面を向いてるだけでもその視界に捉えられているもののすべてが情報なんだから、さすがに脳の方も処理しきれなくなる。


だから無意識のうちに、


<情報の取捨選択>


を行って、自分にとって必要と思われる情報だけを捉えるようにしているはずなんだ。


ということは、日常生活において、


『<自分にとって好ましくないノイズ>についても意識の外に追いやってしまう』


ってことができるんじゃないか? てか、実際にそれができてる人間もいるだろ? 


<他人に何を言われても馬耳東風を貫く人間>


もいたんじゃないか? 心当たりはないか? いわゆる著名人の中にも、いくら批判を受けても意にも介さないのがいたりしたよな? 


まあ本当に『気にしてない』のか『気にしてないふりをしてる』だけなのかまでは分からないものの、少なくとも他人の目からは、


<図太い>


ようにも見える生き方をしてたよな。


まあ要するに、


『そうした方がストレスを軽減できる』


ということじゃないか? 俺もそうするように心掛けてるし。


じゃなきゃ、地球人社会にいた頃にも、


『<怪物のようになってしまう奇病>に侵された妹を抱えて生きる』


なんてことはとてもできそうになかったしな。無責任な他人は本当に好き勝手なことを言ってやがったし。


そうしててさえ、<途轍もないストレス>は俺の精神を蝕んで、<惑星(プラネット)ハンター>なんてまともじゃない商売を選ばせた上に、


『夢色星団に自殺同然で飛び込む』


という暴挙に出てしまったんだからな。


本当にどうかしている。


だから、


『どうでもいい他人の言ってることをいちいち気にする』


なんてのは、


『目にするもの耳にするもの肌に感じるものの中のどうでもいい情報に意識を向けている』


のと同じだと思うんだ。そんなことをしていたら脳が疲弊してしまうだろう。それは正気を保てなくなる原因にもなることも分かっている。


確かに、<重要な情報><有益な情報>をそれで切り捨ててしまっていては困るものの、だからといって何でもかんでも情報に意識を向けていちゃ精神をすり減らしてしまうだけだというのも事実のはずなんだ。


朋群(ほうむ)人社会で生きる者達には、それを分かってほしいと思う。



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