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買い替え(ロボットはあくまで道具だからな)

もちろんロボットはあくまで<道具>に過ぎないから、いずれ捨てなきゃいけない時は来る。しかし、それはあくまで古くなったボディだけの話だ。彼女らが蓄積したデータや、彼女らの<人格>に当たるキャラクターの部分についてはバックアップが取られ、新しく購入したボディに移植され、再び主人に仕えることになる。


エレクシアの前の主人も、新しいメイトギアを購入し、彼女のバックアップデータを移植して共に暮らしていることだろう。


その際に前のボディに残ったデータは初期化されて中古品として市場に出回ることになるのが基本なんだが、これが少々時間がかかることもあり、その辺りがいい加減な業者とかだと、初期化しないまま売ってしまったりするんだよな。


もっとも、その場合も、新しい主人を登録する際に、以前の主人に関するデータは暗号化し圧縮されてロックが掛けられ、普通では取り出せなくなくなる。前の主人が行ったカスタマイズの一部は引き継がれるが、実質的には初期化したのとそう大差ないんだ。まあその所為で、初期化をサボる業者も出る訳なんだが。


俺がエレクシアを買ったジャンク屋も、そういう業者の一つだったという訳だ。


とは言え、そのおかげでエレクシアと出逢えたんだから、個人的には文句を言うつもりもないけどな。


今現在、稼働中のメイトギアのおよそ八割は、そういう形で代々のデータを引き継いできたものという資料もあるらしい。それがどこまで信用できる話かは知らないが、決してありえないことじゃない気もするな。


親から子へ、メイトギアのデータを引き継ぐことも多いという。親世帯が使ってたメイトギアの基本的なデータを、子世帯が新しく購入したメイトギアにコピーして使うんだ。そうすれば自分が生まれた時からずっと一緒だったメイトギアとまた暮らせることになる。そして親が亡くなった時などに古い機体が不要になれば、そのバックアップを子世帯のメイトギアに引き継ぐという形で残すこともできる。


だからメイトギアによっては、二千年三千年前からのデータを連綿と受け継いでるものすらあるそうだ。そしてそれが、メイトギアの強みでもある。人間のことを深く理解し、その心理を掬い上げ、的確なフォローを行うという意味でね。


こうなるともう、ロボット、特にメイトギアの存在なしでは人間は成り立たないと言ってもいいかもしれないな。


それを危惧する一部の人間はロボット排斥を訴えてテロを行ったりするらしいが、正直、それに賛同する人間は決して多数派にはならないんだよなあ。



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