表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
216/2991

子供達の日常 その10

子供達の普段の様子に改めて触れてきたが、最後は、(ちから)(はるか)の子である(きたる)と、(きたる)の弟の(あきら)について触れようか。


(きたる)については基本的に、例の不定形生物由来の(はるか)が生んだ子が果たして本来のワニ人間(クロコディア)として普通に成長するんだろうかという関心が一番だったことは否めない。単に、うち(いや、シモーヌのことも考え合わせると(ちから)(はるか)も<隣人>と称した方が適切かもしれないが)に住んでる他人の子という立場だったこともあって、やはり<俺の子>とは一線を画してたと、今から思い返してみれば感じないでもない。


それでも一応は、俺の子達と同じように接してきたつもりなんだがな。


ただ、思い出という意味で記憶を手繰ってみても、出てくるのは(ひかり)と一緒に遊んでいた時のものくらいで、(きたる)単独の記憶は驚くほどに少ない。俺に対しても、やっぱり何だかんだと距離を置いてたのが実感かな。


当然か。彼女からすれば<余所のおじさん>だった訳だし。


それでも、嫌われてるとか酷く警戒されてる訳じゃなかったと思う。馴れ馴れしかったり必要以上に甘えたりはしないだけで、ある意味では<群れの仲間>とは認識しててくれたんだろう。


そんな(きたる)も今じゃ母親だ。彼女の子には、(あたる)と名付けた。と言っても、こっちが勝手に個体識別の為に付けただけのものだから、彼女としてはそんな名で認識はしてないだろうけどね。


彼女ももう、立派に一人前だ。シモーヌを助けてくれた時のように、群れの仲間に対してもけっして引けを取らない、対等に渡り合える力を持ってる。グンタイ竜(グンタイ)の襲撃の時の経験も役に立ってるのかもしれない。


ドローンのカメラには、(あたる)を胸に抱いて油断なく周囲を見渡しつつ浅瀬に凛々しく立つ彼女の姿が捉えられていた。




対して、(ちから)(はるか)の間に新しく生まれた(あきら)は、血縁上では自分より先に生まれた甥となる(あたる)と同じように、母親の胸に抱かれて、俺の視線の先でおっぱいを飲んでいる。こちらも元気だ。


二人目の子も、少なくとも外見上やバイタルサイン上では<普通のワニ人間(クロコディア)>なので、改めて不定形生物由来の体を持つ(はるか)自身が、その肉体自体は紛れもなくワニ人間(クロコディア)そのものだということを示しているのだと思われる。


それはつまり、同じように不定形生物由来の体を持つシモーヌもまた、その身体機能的には本当に<ただの人間>であることも示唆しているんだろうな。




以上が、子供達についての現時点での概要だ。(ひかり)(あかり)については今後も頻繁に関わってくるだろうから敢えてここでは詳しく触れない。


これから後、特に何かが起こらない限りは触れない子も出てくるかもしれないが、<便りがないのが良い便り>ということになるだろう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ