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丈編 そこが気に入ってる

『幽霊が怖いから退治してくれ』


そう命令しても、セシリアやメイフェアやイレーネやアリアンや鈴夏(すずか)は、


『<幽霊>なる警戒すべき対象は確認できません。存在しない脅威に対処することはできません』


と応えるだろう。これは、製造時期に二千年以上の開きがあるからだ。その間に人間の心理に対する研究も進んだことで、あくまで、


<人間の精神を安定させるための手法の一つ>


として、


<オカルトにしか見えない対処法>


も敢えて取り入れることができるようになったからでもある。


あるが、


『何をおっしゃってるんですか? マスター。幽霊なるものの存在は確認されていません』


エレクシアは確実にそう応えるだろう。前のオーナーがそう応えるようにカスタマイズしたからだ。


まあ俺としてはそこが気に入ってるんだけどな。


『ないものはない』


ときっぱりと応えてくれるのが<ロボットの良さ>だと俺なんかは感じるんだよ。何度も言ってきたと思うが、


『人間じゃないものが人間のように振る舞う』


のは、何とも言えない違和感と言うか<気持ち悪さ>があるんだ。


それでも、アリスやドライツェンやドーベルマンDK-aやドーベルマンMPMやホビットMk-ⅠやホビットMk-Ⅱが<人間っぽい振る舞い>をするのはむしろ微笑ましささえあるかもしれない。かもしれないが、見た目からしてほとんど人間と変わらないメイトギアが人間そのものの振る舞いをするのは逆に不気味に思えてしまうんだよな。そう感じる人間(地球人)も少なからずいた。


それこそ病的なまでに毛嫌いする奴が<AI・ロボット排斥主義>に走ってしまうくらいには。


その辺りの心理の研究も進んでたから、敢えて<ロボットらしい振る舞い>についてもできるように設定できたりはするんだ。それなりの機種になるとな。


ただ、エレクシアはこれまでも触れてきたように、地方の弱小メーカーが後追いで製造したそれだったのもあって、実は標準ではそういう設定ができるような仕様にはなってなかった。なってなかったが、相応の知識がある人間ならまあカスタマイズだって不可能じゃないというのはある。標準の設定画面にはそれが表示されないというだけで、専用のアプリをかませればいくらか設定を書き換えるくらいのことはできるんだそうだ。


もっとも、そんなことをしたらメーカー保証は受けられなくなるけどな。


エレクシアはワンオーナーの中古品だったから少なくとも前のオーナーは新品で買ったはずだが、敢えてメーカー保証を捨ててまでカスタマイズしたということだな。


これもガジェット好きのギークなら『あるある』ってヤツか。



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