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孫(いよいよどっぷりだなあ…)

とうとう<孫>まで生まれてしまって、俺は、いよいよこの世界にどっぷり浸かってる自分を改めて自覚してた。


先に巣立った(ほまれ)は今では群れの中堅クラスになったらしく、さらに若いボノボ人間(パパニアン)の教育係的なことを任されてるようだった。ボスの子らしき雌の一人ともすごく仲がいい様子で、子供ができるのも時間の問題だなって感じだった。


(しん)はまたヒョウ人間(パルディア)(げん)とまったくもってラブラブのイチャイチャで、木の上で実に器用に睦み合ったりしている。デバガメのようなことをするつもりはないのだが、ドローンが捉えててもお構いなしなので、気が付いたらそうなってたというのも多いのだ。仲がいいのは結構だが、もうちょっと節度というものをだな……


って、そりゃあいつらには関係ない話か。


(めい)も若いカマキリ人間(マンティアン)とよろしくやってる。で、彼女の相手のカマキリ人間(マンティアン)については、(かく)と名付けた。頭に角のような出っ張りがあったからだ。これはどうやら(かく)だけの特徴らしい。他のカマキリ人間(マンティアン)にはそこまでのものは見られない。しかも、(めい)と出逢ったばかりの頃には可愛らしい雰囲気もあったのに、見る見る精悍な印象に変わっていってる気がする。しかも、相当、強いようだ。さすがと言うべきか。


(しょう)はまだ相手は見付けてないらしいが、彼女の周りにちらほらタカ人間(アクシーズ)が見られるから、相手が見付かるのもそう遠くない気はする。


(きたる)の子供はすくすく順調に育ってる。しかも、(きたる)の弟(たぶん)にあたる(あきら)も生まれた。たぶん弟というのは、ワニ人間(クロコディア)は、小さい頃は性別が分かりにくいんだ。鱗のようになった皮膚が普段はフタのように外性器を覆ってしまってて、パッと見では分かりにくいからである。それでもその<フタ>のようなものの形が雄と雌では違ってるらしく、まあそれで言えば雄なんだろうなっていう感じだった。と言っても今のところそうだろうというだけで、すべての事例を照合した訳じゃないから分からないが。正直、(きたる)だって最初は雄だか雌だかよく分かってなかったというのがある。


なんてことを考えてるうちに、今度は<孫ラッシュ>なんてことになるんだろうなあ。そうなってくるとますます混乱してくる気がする。正直、今でも時々名前を間違えたりしてるくらいだ。それどころか、子供の存在が頭からすっぱり抜けてることすらある。何日かして、


『あれ、あいつそう言えばどうしてるっけ?』


と思い出すこともある始末だ。特に(じん)の息子で(めい)の弟である(じょう)なんて、何日も姿を見た覚えがないこともあるほどだし。もともと目立たないからなあ。そこが、<密林の姿なきハンターカマキリ人間(マンティアン)>たる所以かもしれないが。


って、実は今思い付いたフレーズだが。



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