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自然の営み(向こうにしてみれば、な)

草原には現在、ソウゲンサイゾウの他にもインパラやヌー、ガゼルに相当する草食動物がいることが確認できている。その辺の情報をまとめることが追い付いてないので仮称すら考えてないが、まあその草食動物が獲物となることで、ライオン人間(ライオン)オオカミ竜(オオカミ)が直接ぶつかり合うことは避けられている状態だったようだ。


しかし時折、そういう大型の草食動物の群れが大きく移動したりして獲物が減ってしまうことがあった。


それでも、ライオン人間(ライオン)の方は、あまり長距離を移動しない比較的小型のブタやカピバラ的な動物がいれば概ね事足りてしまうので、獲物に窮することはないようだ。群れを無暗に大きくしないのもそういう意味があるらしい。


対してオオカミ竜(オオカミ)は大食らいかつ群れの規模が大きいので、大型の獲物を複数捕らえないと飢えてしまう。ブタやカピバラ的な小型の動物だけでは足りないのである。


もっとも、勢力を大きくし種を栄えさせる為にはオオカミ竜(オオカミ)的なやり方も必ずしも間違いではないだろうし、この辺りは人間の俺には判断のしようもない。


そもそも今回の襲撃も、向こうにとっては単なる<いつもの食事>だ。特別なことが行われてる訳じゃない。悪意もない。生きる為の自然の営みである。


ただ今回の件については、あくまで俺の個人的な事情として、黙ってライオン人間(ライオン)達をくれてやる訳にはいかなかった。


だが、やや対応が遅れてしまったようだ。いや、オオカミ竜(オオカミ)の襲撃が電撃的すぎたのか。そのどちらにせよ、犠牲は決して少なくなかった。


ボスを含む三人が死亡。重軽傷六人。しかもボス以外の死んだ二人は共に次のボス候補の雄だった。本当にまず手強い相手から確実に仕留めに掛かったことが窺える。群れの一部だけを襲うつもりなら逆に弱い個体を狙う筈だが、強い個体を集中して攻撃したのは群れ全てを食らいつくす為だろうと改めて実感した。


ボクサー竜(ボクサー)よりも大きく強いことで凶暴さも段違いだな。それでもまあ、グンタイ竜(グンタイ)に比べればマシかもしれないが。


ボスを含む死亡した三人は既に手の施しようがなかった為、敢えてその場に残すように指示した。それを食べればオオカミ竜(オオカミ)も急場はしのげるだろう。


意識のなかった重傷者三人についてはメイフェアによって保護し、コーネリアス号の治療カプセルにて治療を行った。自力で動ける軽傷の者は散り散りになって逃げてしまい、こちらではどうしようもなかった。唯一、(そう)が気に入ってるらしい雌だけは、向こうも(そう)のことが好きだったらしく、コーネリアス号までついてきたのだった。



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