表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

150/2930

埋葬(という程のことでもないが)

エレクシアもメイフェアもボノボ人間(ボノボ)の言葉をある程度は理解していたという衝撃の事実を知る形になって、俺はエレクシアと一緒に一旦家に帰った。


あの時、メイフェアの動きを止めたのは、(ほまれ)が「やめろ!」と一喝したからだった。『秋嶋(あきしま)シモーヌ(の姿をした女王)を守りたい』という気持ちを優先しようとした彼女だったが、仮にとはいえ現在の主人である(ほまれ)の命令には逆らえず、自分の気持ちと命令との処理が追いつかずオーバーフローを起こして動きが止まってしまったという訳だ。


つまり、エレクシアに自分をわざと壊させて俺から与えられた命令を履行できなかったという状況を作り出すことで動きを鈍らせようとしてたのに、自分にそれが降りかかってきたという形だな。皮肉なことに。


もっとも、その辺りにおいても実は<技術の差>があり、命令が履行できなかったりすると一瞬とはいえ動きが止まってしまうこともあるメイフェアに対し、エレクシアはその辺りの対応も進んでいて、完全に動きが止まってしまうことは滅多にないそうだが。


結局、メイフェアには最初から万に一つの勝ち目もなかったということか。


しかも、ボノボ人間(ボノボ)の言語が分かってたということは、昨夜、(ほまれ)がメイフェアに何か叱責する感じで声を掛けてたのは、まさにその通りだったという訳だ。


びっくりだよ!


…まあいい。とにかくグンタイ竜(グンタイ)の件は片付いたんだ。これでまたしばらくはのんびりできるだろう。




そして夜、今日は(じん)の相手をすることになって、俺は宇宙船に二人で籠ってた。


で、(じん)の相手をしてる間にエレクシアがグンタイ竜(グンタイ)の死体を埋めてたんだが、その時点ではもう、他の動物に相当食われたらしくて結構数が減っていたそうだ。


ただ、女王の死体は岩の中に隠れていたからかそのままで、エレクシアはまず女王の死体を丁寧に埋葬してくれた。


せめてもの弔い…かな。


体が大きかったから穴も当然大きなものになったが、要人警護仕様のメイトギアにとってはこの程度の穴掘りはどうということもない。


それから、働きアリと言うか兵隊と言うかのグンタイ竜(グンタイ)の死体を埋めることになった。


しかも、(じん)が満足してうっとりしててくれた時にタブレットで俺もその様子を見ると、エレクシアが作業している横に見慣れた人影が二つ。


「…ちゃっかりしてるなあ…」


思わずそう声が出てしまう。そこにいたのは、(しん)(げん)だった。二人してグンタイ竜(グンタイ)の死体をガフガフと貪り食ってたのだ。まあ、二人だけじゃなく、昼間にはボクサー竜(ボクサー)が現れて貪り食ってたらしいがな。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ