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連携(俺の認識が甘かっただけか)

この時の戦闘で分かったことがいくつかある。その一つが、カマキリ人間(カマキリ)の首筋は急所には違いないがそれはあくまでも<他の部分に比べれば>ということでしかないということだった。


さすがの(めい)も一度に飛び掛かられると防ぎきれず、何度か首筋に噛み付かれることもあったにも関わらず、怪我をしている様子がなかった。どうやら、敵を相手に闘うような時には皮膚の強度が増し、装甲化するようだ。後で詳しく調べると、表皮を構成している繊維が、緊張に伴う電気信号で締まり、硬さも強さも桁違いになる。それは、首筋、脇、太ももの内側で特に顕著だった。


何と言うか、自前で装甲スーツを装着する感じなのかね。


また、(じん)(めい)も家族の中では孤立しているような印象もあったが、実はそれはあくまで人間としての俺の感覚で見た話だということも分かった。


彼女らはちゃんと家族として、<群れの仲間>として皆に認められてたんだ。だからこそ、連携が取れる。


さらに、(めい)の強さは、子供達の中では頭抜けている印象があった。と言うか、(ふく)にさえ見劣りしない強さだった。もっとも、それでも(じん)の強さには敵わない。エレクシアは完全に別カテゴリなので比較対象にならないとして、やはりカマキリ人間(カマキリ)の成体である(じん)の強さは圧倒的だった。


俺の目ではまったく捉えられない速さでカマをふるい、次々とボクサー竜(ボクサー)を薙ぎ払っていく。一撃一撃が必殺の威力を持っていた。しかも(ふく)(よう)のようにあまり激しく牙を剥いたりもしないから、エレクシアよりもロボット的でもある。


だが、彼女らの強さに目を見張りつつも、俺は強烈な違和感に囚われていた。以前から異常だと分かってはいたが、今回のこれでさらにその異常さがはっきりした。なんなんだ? この数は? これじゃ本当にアリの群れじゃないか。いったい、どこにこれだけの数のボクサー竜(ボクサー)が隠れてたんだ?


しかも、次に発せられた警告により、俺はさらに信じられないものを見ることになった。


(ちから)(はるか)の池の方にも、無数のボクサー竜(ボクサー)が近付いているのが感知されたからだ。


馬鹿な!? あっちは別の群れの縄張りが隣接してたんだぞ!? そっちは、こいつらと違って普通のボクサー竜(ボクサー)だった筈だ。エレクシアに手酷く撃退されて懲りたのか、最近では近付いても来なかったというのに。


「まさか…<あいつ>に乗っ取られたのか……?」


俺の脳裏によぎった考え。それは、この家を取り囲んでいるすべてのボクサー竜(ボクサー)の群れが、<あいつ>、あの透明なボスらしき個体によって乗っ取られてしまったのでは?というものだった。



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