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勉強お泊まり会 前半

 「これはマジでヤバい」

 玲緒は先程返ってきたテストを見て震えていた。

 「今回のテストで赤点だった者は明日の放課後再テストするからしっかり勉強しとけよ」

 それと同時にチャイムがなりクラス委員長である紗紅の号令とともにSHRが終わった。

 「くっそ! なんで再テストなんてあるんだよ」

 国数英の三教科とも二十点台の玲緒は明日の再テストのことを考えると嫌になってきた。

 「だ、大丈夫か・・・・・・?」

 うなだれている玲緒を心配して奈津斗が声をかけてきた。

 「別にいいぜ俺のことなんか」

 手に持っていたテストを奈津斗に見せるや奈津斗は何故っていう表情をしていた。

 「アメリカに居たのになんで英語も赤点なの?」

 「うるせー! そんなことどうでもいいだろ。お前はテストどうだったんだよ」

 申し訳なさそうに出されたテストを見て玲緒は本日二度目の驚愕的な物を見た。

 「全部百点・・・・・・だと」

 奈津斗が勉強できるのは知っていたがここまで頭がいいとは思ってなかった。

 頭の出来の差に落胆しながらテストを返すや後ろから紗紅が来た。

 「おーい二人ともテストどうだった」

 「うるせー、俺にそんなことをきくんじゃねぇー」

 怒る玲緒を無視して紗紅はテストの点を聞いてきた。

 「おー、すげーな奈津斗全部満点かよ」

 褒められて嬉しそうな奈津斗を横目で見ながら思ったことがあった。

 「つーかお前なんでそんなに親しいんだよ」

 「えっ、だっておれたち昨日奈津斗のピアノを聞いた仲じゃないか」

 どうやらこいつの中では玲緒達のことを友達だと思っているらしく、玲緒はこんな騒がしい奴とは嫌だったが奈津斗は紗紅のことを友達だと思っている。

 「玲緒もそんなこと言わずにさー、オレ以外に友達いないだからさ」

 たしかにその通りだがこいつと友達になるのはやっぱりなんか嫌だった。

 「はぁぁ! 全部二十点台って・・・・・・しかも英語までアメリカにいたんじゃないの?」

 先程、奈津斗に言われたことをそっくりそのまま言われたが今はそんなことよりも

 「お前勝手に人のテストをみてんじゃねーよっ!」

 「あーごめんごめん、机の上に堂々と置いていたからつい・・・・・・お詫びにおれのテスト見せてあげるからさー」

 玲緒のテストと一緒に自分のテストを渡してきたので紗紅のテストを見たら全てが九十点台だった。

 「お前勉強もできるのかよ!? ・・・・・・てっきり俺と同じように馬鹿だと思ってたのに」

 「ひどっ! そんなことを思っていたなんて結構ショックだよ」

 わーわー騒ぐ紗紅の隣を偶然、啓が通りかかった。

 「あっ啓、啓はテストの点どうだった?」

 呼び止められ啓は、紗紅達の方を向くと視線を玲緒のテストに向けた。

 「おいなんだよ」

 「・・・・・・逆にそんな点を取れるなんてすごいと思いますよ」

 珍しく長く喋ったと思ったら完全に馬鹿にした言い方だった。

 「じゃあお前はどうなんだよ」

 無言で渡されたテストを三人で見た。

 国語七十二点、英語六十四、数学七十四点、平均点七十点・・・・・・ビックリするぐらい普通の点数だった。

 「・・・・・・なんですか、別に玲緒より点数が高いから問題ないでしょ」

 一々勘に障る言い方をしている啓だったが言っていることは事実なため言い返せなかった。

 「で、玲緒これどうするんだ? このままだと明日の再テストも赤点だよ」

 たしかにそうだ、こんなんでは明日の再テストも赤点は確実だ。

 「ねぇ玲緒、よかったら今日オレの家で勉強を教えてあげよか? 玲緒がよければ泊まっても大丈夫だから」

 この瞬間奈津斗が神様に見えた。

 「頼む、お前だけが頼りなんだ」

 「おっ、いいねそれ奈津斗おれもいいか?」

 奈津斗の心は広くすぐに了承した。

 「あっ、もちろん啓も来るよな!」

 紗紅がガシッと啓に肩をまわしたが啓は嫌そうだった。

 「えっ、お前らも来るのか」

 「まぁまぁそんな冷たいこと言わないでさーこう言うのは人数が多い方がいいと思うし」

 奈津斗がそこまで言うのなら玲緒がこれ以上口を出す意味がなかった。

 「よしっ! では放課後勉強と泊まりの準備をして学校前に集合ってことで!」

 こうして玲緒のための勉強お泊まり会の話が決まった。

 

 

 

 

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