黄昏 深更 斜陽 朝のあなた
詩 「黄昏 深更 斜陽 朝のあなた」
光粒子が消沈してその敗れ目は手指を絡め闇を生す
貴方は塵埃を払う所作で薄ずむ光を奈落へと墜落させる
それを見届ける様は魑魅魍魎に心霊を喰われたその者
取り縋ろうとするもの達を纏わるもの等が咲う
軽薄な口唇の滑らかなる曲線 艶麗の色は飽く迄でも上品なまま
際を悪霊がする様にしてしら笑う 黄道に背逆して
幽冥界のもののあなたの艶容 深更の光耀 闇に浮び上がる
あなたの頭盧は望となり体軀は潮汐に清められている
晦あなたは溶け消え 朔から二日月あなたは私の影から萌芽して
原野に咲こうとする私の骨骸を搔き咲いて悪魔の如くに愛撫する
その美妙なる様子
尖る三日月の丁夜 陽光に縁辺をなぞられし羽根を持するもの
に誘引されあなたは昇天する 私の骨がぽとぽとと
天国から闇が寝そべる地輿へと墜ちて来る
斜陽が訪問するようにして
あなたの今日が日の創作を芸術の神は誉め称える
あなたは照れて他の神の姿体を見 声色を聞き知ろうとする
直様に神は美貌を悪魔のそれへと変容させてあなたの人生に呪詛を掛ける
そのような神の悋気はあなたを際限無く苦悩させるが
あなたにとってはそれは祝福されし真実にいとおしい劇薬でもある
欄干を酔って歩いて見事に川に落下する
それでも太陽に地球と呼称したビー玉をぶつけて陽気に歌うあなたに
魑魅も魍魎も知らん顔
あなたの人生は思うに そのような感じ
明日の朝日が昇れば また仕事に精を出すだろう
短歌
烏揚羽の優雅なはばたきに催眠せらるる斜陽のかげのぶる中
俳句
耳朶より溢れおつるまつむしの声
絵
B5コピー用紙使用