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銀色の魔法少女Ⅰ

気がつけば結構進んでいる魔法少女シリーズ!

 もし、この世界自体、マトリックスの様なバーチャル世界なのであれば、目の前で起きている光景にも辻褄が合うだろう。もし本当にそうなのであれば、今みたいに死ぬ事を恐れる事は無かっただろうし、何せ独りという事が怖くなくなるだろう。だが、たとえこの世界がバーチャル世界だろうと、その中に閉じ込められた者は解明する事が出来ない。この世は謎に包まれ過ぎている。知らない事が多すぎる。

 僕の目の前に、怪物がいる。さらにその怪物の背中には自称魔法少女が立っており、怪物の丸太の様な太腕を引っ張っていた。


「お前、助けてあげる」


 そう吐いたキリカちゃんはまず、怪物の腕を軽く捻った。「ぐぉふゆぅッ」と聞き取るには困難な奇妙な声を発した怪物は、次の瞬間、軽く捻られただけの腕が綱引きの綱の様に何重にも捻れ、皮膚的な物が耐え切れなくなったのか、肉らしき物体があらゆる箇所から飛び出、勢い良く食み出した。「わお」とキリカちゃんはその光景を楽しそうに眺め、背中に付けていた右足を上げた。怪物は痛みに耐え切れないのか必死にもがいている。「ちょっと黙れよ」キリカちゃんはそう発した瞬間に右足で怪物の背中を蹴飛ばした。両腕を握ったまま蹴りを食らった怪物はベクトルに従う様に吹き飛び、一瞬の迷いも無い刹那。遠く向こう側にある建物が咆哮の様な轟音を轟かせ、崩れ落ちて行った。


「す、、、げッ」


 派手に腹は貫通している筈なのに、声が漏れる。キリカちゃんの方へ目線を戻すと、無残で引き千切れた怪物の両腕がぶらんぶらんと、揺れていた。「きったね」キリカちゃんはそれを毛頭も思わずに投げ捨てる。

 巨大な煙の渦から腕を無くした怪物の影が映る。千切れた肩の部分からはホースの様に血が噴き出ており、怪物はもがいているままだった。「まだ死なねえのかよ」キリカちゃんが呆れた表情を称し、フリルに支配された丈の短いスカートから拳銃が姿を現す。「…ぇ?」唯でさえ血が残り僅かというのに、血の気が引き、青褪めた。拳銃?容姿からして自分より年齢の低いファンシーな格好をした少女が拳銃を澄ました顔のまま構えた。

 右手を怪物の方へ突き出し、銃口で怪物を捉える。「血銃って知ってる?」聞こえる筈の無い距離だが、キリカちゃんは普通の音量でそう吐いた。

 そして何の躊躇も無く、引き金が引かれた。



「運が悪かったねマコト君」


 僕は知らぬ間に、椎名さんの隣で寝ていた。またこうして和室に戻って来た、という感覚では無く、目を覚ましただからなのか未だに僕は先程の光景は夢だと思っている。「夢ですよね?」「のーどりーむ」「は?」

 未だ夢心地の僕はもう一つ、あれは夢だと断言出来る事があった。それは、貫通し派手な穴が開いていた筈の腹部も、破裂した足も、吹き飛んだ右手も、縫合跡一つ残らず、元の形を留めている事だった。怪獣が学校を襲った時も疑問を覚えていたが、さすがにここまで来ると嘘だとも思い込みたくなった。本当にゲームみたいじゃないか、と椎名さんに訊ねる。椎名さんはははは、と悠々と笑い「その者の命がある限り、傷は刹那の再生を行う」なんて痛々しい事を人差し指で宙に円を描く様な仕草を取りながら返して来た。一ミクロと理解出来ない。

 

「さっぱり分からないです」

「実に面白い」


 見たからに変人だからあえてツッコまない事にした。頭が良いのかは分からないが、科学者では無いだろう。しかし、変人だ、とは言い切れる。断言出来る。公言出来る。椎名さんは「ででんでーででんでーででんでー。でで!、でってでって!」とあの有名なリズムを口ずさんだ。もう良いです、と割り切る。

 「でも、魔法少女は信じてくれただろ?」「信じないです」「信じるっちゃ!」

 うる○やつらか何かの真似なのだろうが受け流す様に無視した。椎名さんは口を尖らせる。「詳しく説明してください」信じないと言っても、興味はあった。キリカちゃんはまた拗ねるだろうけれど、知っとかなくちゃいけない気がした。あの拳銃の事だとか。「魔法少女の事を」

 椎名さんは「そうだね」と微笑み、すぐに話を開始した。息を吸う。すぐさま吐き、声を放った。


「キリカは魔法少女だ。自分の血液を銃弾に変えて戦う,ね」  

 

はい。小説家になろうに入って一、二ヶ月経過しましたが読者が増えない鯨雲でございます。まだまだ未熟で青いですが、これから段々と読者を増やし、お気に入り件数を稼ぎ、感想ばんばん来る様な未来を夢見てます。

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