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プロローグ
この国ははっきりとした階級社会だ。
最も尊い王族・貴族・平民・貧民・最下層の順番にどんどん階級が下がる。
王族に仕えることを許されるのは貴族のみ。
貴族に仕えられるは貴族か平民。
平民のもとで働けるのは平民か貧民。
貧民とはもともと犯罪者や浮浪者に与えられた地位とも呼べないただの符合。
今ではその貧民の子孫や親のいない子どもに与えられ、搾取されるばかりの存在。
最下層は重罪を犯した犯罪者に押される烙印「罪」の印を押されたものをさす。生活の場は日も指さない地下。「強制労働」という名の仕事からは決して逃げることは許されない。たとえ罪を償い終わり強制労働から抜けたところで、印を持つものにはまともな生活など望めない。
それがこの国の仕組み。
それがこの国の澱。
体制を変える権力は全て貴族のもの
だから決して変わらない
虐げられる者たちは虐げられ続ける