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抑えきれない想い

ミオはレオンの国の王子の愛妾となることが決まった。


ミオが他の男のモノとなり、レオンに女をあてがえば、レオンの恋も冷めるだろうと王子は言う。


レオンの様子から、恋愛とはそんな簡単なものだろうかと五人は思う。



だから

彼らは探し続けた。

恋を消す方法。

記憶を消す魔法。

時間を巻き戻す理論。



しかし、――何も、なかった。




五人の罪は各所に広まり、もう隠しきれないだろうと悟った五人は、ある夜、ミオに真実を告げた。


「……帰す方法は、ある。」


「レオン様が亡くなれば、君は帰れる。」


ミオは静かな顔で首を振る。


「それは……だめです」


五人は深く頭を下げた。


「ごめん。」


「俺たちは……あの人を殺せない。」


「でも、レオン様が君を愛したら、君は消えてしまうんだ。」


知っていた事だが、直接言われた事実にショックは大きい。


「そう…なんですね。」


涙声のミオに、誰も顔を上げられなかった。



その日、ミオは研究棟に連れて行かれた。


経過観察――名目はそれだが、目的は違う。


そこにいたのは人当たりがよく、美しい男……王子だ。


「ミオ、こっちの世界には慣れた?」


美しいが少し軽薄な雰囲気のある王子がにこやかに視線をミオへと向ける。


「はい。花も綺麗ですし、空気が澄んでいて心地良いです。空も、少し高い気がします。」


他愛もない会話。

ミオの顔に笑顔はない。


少し離れた場所から、レオンはミオの様子を見ているよう命じられていた。


――胸の奥が、不快にざわつく。


正妻ではないが、美貌、権力、財産を兼ね備えた王子であれば、ミオは幸せになれるはず。


そう判断したはずなのに、王子を目の前にしたミオは嬉しそうではない。

王子がミオの頭に手を伸ばした瞬間、ミオの表情は辛そうに歪んだ。

そして今にも泣き出しそうなミオの唇を王子が塞ごうとした時、レオンの声が出た。


「……そこまでにして下さい。」


レオンの制止にミオは驚き、王子の眼光は鋭くなる。


「私の決定は不服か?」


ミオは王子の愛妾となるために、ここに呼ばれた。

レオンはミオが他の男を受け入れる様を見ているよう命じられた。


「………。」



ミオが消えてしまう位なら……そう思うが、レオンの心が拒絶している。



「それならば……。」



この命、ミオを元の世界へと帰すために使おう。

共にいられないのなら、せめて家族や友人のいる元の世界へ。



レオンが顔を上げると、王子に引き寄せられ、王子の腕の中にいるミオと目が合った。


 

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