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腰の曲がった老婆が……
腰の曲がった老婆が、手押し車にもたれて歩く
昼晴れの空に雲はなく、大通りに冬の風
老婆の手押し車、水色のカゴは汚れている
信号が変わって、人の波が彼女を避けて過ぎる
車の上には、白いコスモスが一束載っていた
スーパーで売っている、三・四本の小さな花束
そのうちの一本は、すでに悪くなっていたのだろう
花びらの一つ、その先っぽが茶色くなっている
ほかのコスモスも力なく、鮮やかでない白色
老婆はようやく、交差点までたどり着いたのだが
その横断歩道はとても長いから、そこで止まった
信号が点滅して、若い男が走り抜けた
再び青になって、老婆はゆっくり歩き始めた
手押し車は軋み、コスモスの束は震えている
信号の点滅、彼女はまだ道の真ん中だった




