帰省 2
たかが帰省で 俺はもうクタクタだ
太陽よりも 早く起きたおかげで
始発バスに間に合って 席に座れた
目覚めた時は もう仮病しようかと
悩みもしたが 鞭打って正解だった
新幹線のりばへ 足早に行く
朝の七時なのに ごった返している
頼むから 同じ方向に歩くな
同じ列車に乗るな 俺はそう祈る
ひかり博多行き 絶対これがよかった
ギリギリ間に合って 五番乗り場に立つ
前に三人いる 俺は座れるか?
立つのは嫌だ 相席でもいいから――
アナウンスが鳴ると あとは祈るだけ
風が強くなって 緊張が高まる
餌が来るのを 待ちわびる雛みたく
首をのばして 列車の方を見つめた
一号車の窓は 素早く流れた
ガンマンみたく 俺は気を研ぎ澄まし
車内の混み具合を うかがってみると
驚いたことに 中はガラガラだった
不安と緊張が 強いストレスが
静かな喜び 安堵になる時の
妙な高揚と 遅れてくる疲労
進んで味わいたいものではないな
まだ二度も乗り換えがあるのに
まだ朝の八時だというのに
もうクタクタで立てそうもない




