11/12
帰省 3
数日もいれば 体が慣れたのか
実家から去るのが 億劫になってしまった
のどかな陽光が 悲しくさえある
初めての離郷も これほどではなかった
駅に近づくにつれ 胸が苦しい
やっぱりもう一日 そう思ってしまう
ホームシックではない 面倒なだけだ
数時間もかけて 家に帰るのが
電車に乗ってからも まだ名残惜しく
懐かしい景色に 懐古の感情
車内は混みあって 座ることもできず
本も開けずに 呆然としている
新幹線に乗る その時にはもう
別人みたいに 前向きになっている
早く着かないかな、と考えている
俺の一人暮らしが待っている、とかって
実家でよかったことといえば
何もしなくても 飯が出てくること
いつ散歩しても 人と会わないこと
それぐらいじゃないか、なんて
生意気に考えている




