表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ショート・ショート 大賢者ニカデモスの不機嫌な日常

ニカデモスは邪悪なる魔法使いである!

彼の日常を不機嫌にさせる存在には

彼は容赦なく邪悪に対処するのである。

―その1 魅了への防御術ー


大賢者ニカデモスは世を忍ぶ姿。


正体は邪悪なる魔法使いである。


あるとき、王家から学園に魅了術を


使うピンク髪令嬢が現れ


王族・貴族子息が魅了され困っていると


その対処を依頼してきたのである。


ニカデモスは思った。


めんどうくさいな。


ふと、邪悪な考えが浮かんだ。


そんなに魅了したいなら・・・・・。


ニカデモスは口の端をゆがめて笑った。


「よろしい。皆様に魅了の防御術をかけてしんぜよう」


翌日。例のごとくピンク髪が皇太子に腕をからめ


魅了し、しだをつくろうとした。


そこには。


皇太子「デュフフ!ヒロインちゃーん。今日もかわいいでちゅねえ?」


見るも みにくいバケモノがいた。


「いやああああああああああああああああああ!」


なんでなんでイケメン美形の皇太子がチビデブのオタクに?なんでなんでなんで?


ピンク髪はダッシュで逃げて、攻略対象その2である宰相の息子に訴えた。


ヒロイン「聞いて!なんか皇太子様が変になってしまったの!」


抱き着き、すかさず魅了し訴えるピンク髪。しかしー。


宰相息子「ヒロイン殿。どうしたのでござるか?


拙者がいれば大丈夫でござるよ!」


そこには知性あふれるメガネ高身長のイケメンではなく、


ヒョロガリ七三分け瓶底メガネの新人リーマンがいた。


「なんでよおおおおおおおおおお!」


そこからは、かくのごとしである。


騎士団長息子は マッチョイケメンから ボストロールに


宮廷魔術師息子は イケメンショタから 油すましに


学園の魔法学教師は インテリイケメン青年から アブラギッシュハゲに


魅了術を掛けた・発動した「攻略対象」がすべて


「ピンク髪が想定する生理的に嫌悪する姿」に変わったのである。


想像してみてほしい。推しのアイドルグループがある日突然


脂ぎったオッサンや、ハゲの中年。デブで残念な容姿のオタクになったら?


落差で言えば キムタクに会えたと思ったらエガシラが出て来た。


そういうことになったのである。


今、ピンク髪は、隠しキャラまですべて魅了をかけると残念なすがたに


なってしまい、心が折れかけていた。


まだだ。まだ終わらんよ!


ヒロインであるピンク髪は最後の攻略隠しキャラ「魔王」に


会うべく魔王城に乗り込んでいた。


ヒロイン「魔王様!世界の危機ですわ!今こそ魔王様のお力をお貸しください!」


大胆にもピンク髪は魔王に近づきその両手を取り、ありったけの魅了の力を


魔王に対して発動した。


「小娘よ?これは何のマネだ?」


そこには


2本角に黒髪長髪の、いかついヒゲ面のおっさんが


セーラー戦士の姿ですね毛丸出しで立っていた。


#宮下キャラで、あのセーラー戦士な姿で、すね毛マッチョで


アメコミもかくやの姿を御想像ください。


「ぎゃあああああああああああああああ!」


ピンク髪はとうとう心が折れて気絶した。


わけが解らなかった魔王は、ピンク髪を王国へ


送り返し、これがきっかけで魔国と王国は


国交を持つに至った。


ピンク髪は学園を自主退学し


実家の男爵家の屋敷に引き籠った。


全てを 見通しの鏡で観察していたニカデモスは


「ふっ」と笑い、この結果に満足した。


まあ、退屈しのぎにはなったか。


この日、ニカデモスの不機嫌な日常は


すこしだけ和らいだのである。






一度やってみたかったネタなので。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ