どうにもならない
そんな俺たちを見て暁人と同様、1年の時に同じクラスになってから仲良くなった高嶺、理玖、和真は、
「懲りねえな、暁人も」
「圭吾、今フリーなんだろ?試しに付き合ってみりゃいいじゃん」
と呆れながら言う。
そして、
「お前、人の心弄んでると痛い目に遭うぞ」
と理玖が脅す。
弄んでる?俺が?暁人を?
「暁人がお前のこと好き好き言ってるの楽しんでるんだろ」
と高嶺が言えば、
「それな。あいつの人懐っこさが裏目に出て真剣に取り合ってもらえないのは気の毒だけど、気がないなら多少言葉がきつくてもはっきり言ってやれ。そろそろこっちも見てられなくなってきてるんだぞ」
と現在暁人と同じクラスの和真が加勢する。
「ええ……俺が圭ちゃんのこと好きなだけなんだからいいんだよ、心配してくれるのは嬉しいけど」
「心配っていうか、見ててこっちがしんどいんだよ」
「そうなの?俺は全然しんどくないから勝手にしんどくならなくていいよw」
高嶺、理玖、和真の目線が突き刺さる。
俺が悪いの?
ちゃんと言ってるつもりなんだけど。
なんなら今この場で言おうか?
「暁人、俺女の子が好きだからお前とは付き合えないよ」
よし、言ったぞ、はっきり言ったよな俺。
ていうか何回も言ってるんだけどな。
「うん、知ってる!」
にっこり笑う暁人。
頭を抱える高嶺たち。
ほらな、どうにもならねえだろ?と開きなおる俺。
答えが出ないというより、答えは出てる。
出てるけど暁人が納得しない。
どうにもならねえのよ。