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文化祭 その4
「気になる?」
「そりゃ気になるよ、だってあいつの彼女なんだろ?紹介してくれてもいいのにな」
「ふーん」
高嶺と理玖がニヤニヤしている。
くそ、強がってるのがバレてる。
和真はふっと笑いながら、
「皆川ゆりちゃんっていうんだって」
と教えてくれた。
「へー、ゆりちゃんっていうんだ。やっぱり彼女なんだな」
「文化祭終わったらちゃんと紹介しろって暁人に言っといてよ、和真」
「了解」
先に行ってるなと和真も視聴覚室へと走り出した。
和真は知ってたのか…それもショックだった。俺は本当になにも知らないんだな。
「素直じゃねえな、お前。紹介なんかされたくねーんだろ?」
「そんなこと言えるかよ、彼女だっていうなら仕方ないだろ。諦めるよ」
「ほー諦められるんだ、その程度なんだ、お前の暁人に対する思いって」
「お前ら、うるせー!これでも耐えてんだよ、少しは慰めてくれてもいいだろ?」
「暁人はもっと苦しかったよ、きっと」
「……」
「よし、じゃ行くか」
理玖が高嶺と俺の背中を押して和真の後を追った。




