序章 前
序章の前半です。
文才ないですが優しく見守ってください。
まずは自己紹介から始めよう。
俺の名前は「新相 遠地」
私立芽訶日苦高校に通う至って普通の高校1年生だ。成績も平均より少し上か下だし友達の数は2人、彼女はこの16年間で一度も出来たことがない。
そうして始まった高校生活を無難に楽しんでいたある日、俺の普通の日常は非日常へと変わってしまった。
「遠地、帰る前にちょっと良いか?」
帰りのホームルームも終わりみんなが帰り始めたタイミングで先生に呼び止められた俺は、何か提出物を忘れていたかどうかなどを考えつつ話を聞きに行った。
「なんですか先生?もしかして何か出し忘れてたりしましたか?」
「いやそうじゃないんだ。遠地は確か美化委員だったろ?実は先生が顧問をやっていた部活の部員が全員いなってな、廃部になったからその部室の片付けを手伝って欲しいんだ。」
美化委員だからといってそれは美化委員の仕事範囲外ではないのかと思いつつも俺は続きを聞く事にした。
「部活が廃部?1、2年生とかが残ってたりはしないんですか?それにそれって何部なんですか?」
「部員はなぁ…実は3年生しかいなくて今年全員卒業してしまったからもう誰もいないんだよ。萌ロボ発明部ってやつだったんだが…」
「萌ロボ発明部!?」
流石に驚きを隠せなかった。萌ロボを発明する部活?なぜそんな部活がそもそも設立出来てるんだこの学校は…しかも担任の先生がそんな名前の顧問をやっていたとは…などと困惑しすぎて色々と考えてしまう俺に対して、先生は用事を済ませたら俺もすぐ向かうからと言い残して先にどこかへ行ってしまった。
仕方なくさっきの会話の時に教えてもらった部室の場所に向かいつつ萌ロボ発明部について考えてみた。やはり萌えロボという事はメイドロボとかの発明をしていたのかと悩んでいる間に気付いたら部室の前に来ていた。これ以上考えても埒が明かないと思ったのでとりあえず部室に入ってみる事にし、部室のドアを開けた。すると部屋の奥にある"それ"に驚きを隠せなかった。
「な、なんだよこれ…」
思わず声に出てしまうほどの美形な顔をしている女性…いやロボだ。左腕以外はどう見ても生身の女性としか思えない見た目をしているのに、左腕は腕部分には回転しそうな機械が付いていて手の平には何かが飛び出しそうな穴が、指の先は人を刺せるぐらいには尖っているといったいかにも戦闘用としか思えない構造をしておりそれが他の部分との違和感を際立たせている。そのにしか見えないロボットが気になり俺は近づいてよく確認しようとした…その時何故か足元に落ちていた乾電池を踏んでしまい滑った俺はそのロボットにぶつかってしまった。
いたた…とぶつかった部分をさすりながらもロボットが無事か確認していた時、誰かの声が聞こえた。
「…ドウカンリョウ。シュウ…状況確認しま…。」
あの時乾電池を踏まずロボットにぶつかっていなければ俺の人生は変わっていただろうか。






