良寛さまの話 良寛さまはぐうたら 江戸時代
むかし むかし良寛さまとという僧がいました。
良寛さまは怠け者で、ぐうたらするのが好きでした。
僧なら働かなくてもよいと、僧の道を選んだのでした。だから、寺の住職などまっぴらごめんでした。住職になれば、檀家の世話や葬儀などしなければなりません。そこで、庵を結び、ひっそりと暮らし・・・ていませんでした。
毎日のように庵に村の子供達が遊びに来るからでした。なぜかというと良寛さまは他の大人たちのように子どもたちがいたずらをしても、どんなに騒いでも叱らないのでした。
今日も子どもたちが話しています。
「優しいお坊様のところに遊びに行こう」
「うん、いこう、いこう」
ただ、良寛さまは叱ったりするのがめんどくさかっただけなのですが、村の大人たちからは子供の面倒をみてくれるやさしいお坊様と感謝されているのでした。村人たちはせめてものお礼にと畑でとれた野菜や雑穀などを持ってきてくれるので、飢えることもありませんでした。
そんな良寛さまにも友人がいました、いや、良寛さまは友人とは思っていなかったかもしれません。
その友人が、ある日、たずねてきました。友人は純粋に一人で庵で暮らしている良寛さまを心配して様子をみにきたのでした。
しかし、良寛さまは突然の来客がめんどくさくてしかたありません。来てしまったものは仕方ないと、足を洗わせ、庵に招きいれました。友人は囲炉裏の前に座ると暮らしぶりを尋ねました。
「楽しくやっているよ」
ぶっきらぼうに、そういうと、囲炉裏に火をおこし、さきほど、友人が足を洗った鉄だらいを火にかけ、その中に雑穀をいれました。友人はあわてました。
「お・・おい・・それ、」
「なにか? ]
「なにかじゃない。それ、今、俺が足を洗ったやつ」
「うん、、お前のだしが効いていてうまいぞ」
雑穀が煮えてきたので、食べ始めました。平気で食べています。
「腹を壊すぞ」
「わしは腹をこわしたことはない」
あくる朝、友人は呆れて帰っていきました。
それから、しばらくしたある日のこと。僧の庵に竹が生えてきました。竹は床下を破ってぐんぐん伸びていきました。邪魔だからきってあげようという村人もいましたが、その時、僧はすましてこういったのです。
「竹も生き物。そんなことをしては可哀想じゃ」
良寛さまは、ただ、庵に村人が入ってきて、相手をするのがめんどくさかっただけでした。
しかし、人々はなんという優しいお坊様なんだと噂しました。
良寛さまはいつもこんな調子でしたが、村人からは優しい徳の高いお坊様と尊敬を集め、一生をぐうたら、だらだらして、幸せにくらしました。
竹の話は子供が通っていた幼稚園の園長先生に聞きました。
お寺が経営していた幼稚園でした。




