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小説家になろうラジオ大賞6

うちの可愛いメイドさんは、散歩しないと〇〇してしまいます

作者: 夜狩仁志

どうも、お久しぶりです。

そして、はじめまして。

夜狩仁志でございます。


恒例の『なろうラジオ大賞』の季節がやってまいりましたので、懲りずに全テーマ投稿したいと思います。

2024年最初の投稿テーマは「散歩」です。

 両親が海外へ赴任。

 僕は学校の関係で実家で一人暮らし。

 そんな僕を心配して、親がメイドを派遣してきた。


 千代(ちよ)という名の同年代の可愛い女の子は、契約書と共にやって来た。


「よろしくお願いします」


 その契約書、一つ気になる点が。


『注※一人で外出させないこと。

 しかし、毎日散歩させないと〇〇します』


 〇〇が滲んでよく読めないけど、どうやら死亡?と書いてあるような!?


 結局毎日、決まった時間に二人で散歩することに。


 で、こんな吹雪の中でも、千代は喜んで走り回る。


 白銀世界を走り回る千代を見てると、昔飼っていた犬を思い出す。

 チロと名付けた白毛の美しい雌犬。

 僕が幼い頃に親が拾ってきた。

 よく一緒に遊び散歩もしたけど、不幸にも病気で……。


 散歩なんて、あの頃以来なのかも……


 へっクシュン!!


 ぅぅ……寒い……


 見事に風邪をひいた僕は三日三晩寝込むことに。


「ご主人様、具合はどうですか?」

「ぅぅ……ごめん、散歩行けなくて」


 小さく首を振る千代は、献身的に看病してくれた。


 お陰でようやく動けるようになった頃、


 あれ?

 千代がいない?


 探すと自室の片隅でうずくまっていた。


「来ないで! ……ください」


 もしかして風邪が移った?


「大丈夫?」


 駆け寄ると……


 白い帽子を被っている?

 いや、髪が全部白くなって?

 しかも獣の耳が出てる?


「ど、どうしたの!」


 顔を隠す手を振り払うと、

 顔にも白い毛が!?

 鼻と口も少し突き出してる。


「ご主人様には知られたくなかったです……

 私、外に散歩しに行かないと、犬化してしまうんです」


 そ、そんな!


 そういえばあの契約書、滲んだ〇〇という文字。

 死亡ではなく犬化と書かれていたのか!


「こんな私、不気味ですよね。もう、ここには……」

「まだ間に合うの?」


「え?」

「今から散歩に行こう!」

「ご主人様の容態が! それに外は雪が!」


 僕はまだ関節の痛む体をおして、千代の手を取り飛び出た!


 雪降る中、いつもの散歩コースを回りきって帰宅した時には、千代の姿はすっかり元に戻っていた。


「よかったぁ……」

「ご主人様!」


 風邪が悪化した僕はそのまま倒れ、2日間も寝込むことに。


 気がつくと側にはいつもの千代が。


「よくなりましたか?」

「うん。それよりも犬化は?」

「なんのことですか?」


 その後いくら尋ねても、犬化して雪の中散歩したことは無かったと、微笑むだけ。


「熱で変な夢でも見られたのでは?」

「それならいいけど……」


 という訳で、今日も彼女と手を繋ぎながら散歩するのだった。

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― 新着の感想 ―
ほっこりしました。熱の間みたものは夢だったのかと考えるとおもしろいですね。 読ませて頂き、ありがとうございました。
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