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天魔の子・藤堂高虎  作者: 宇井崎定一
終章 新たなる時代へと
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登場人物(終章まで)※全面的ネタバレあり

◇藤堂家

藤堂高虎……四葩を妻とし、浅井家のために戦い続けた。外では「天魔の子」の二つ名にふさわしい戦いぶりを見せるが、内では四葩にまるで頭が上がらない。

逃げる事をいとわない性格で、激しい時は激しいが逃げるのも早い。

最終官職は従五位上若狭守。


藤堂四葩……朝倉義景の娘。一向宗と朝倉景紀により半ば軟禁状態であったが、高虎により救出されその妻となる。夫にも物言いをやめないかなり強い女性。

ちなみに本作では1560年生まれの設定。


藤堂虎高……高虎の父。高虎に比べかなりお盛ん。

史実では終章の十一年後にまた男子を儲ける。


山崎長徳……元朝倉の家臣で後に高虎の部下となる。少し軽い性格。


真柄直基……元朝倉配下の「真柄親子」の息子で、主家滅亡後高虎の配下となる。藤堂家一の猛将。


本多正信……元徳川家の武将で、一向一揆に加担して流浪を命じられ、加賀一向宗壊滅の際に高虎が保護。

天竜川の戦いの際に正式に藤堂家に帰属し、のち長政の側近となった。


お桂……近江と若狭の国境の自作農の娘で高虎の側室、まったくのオリジナルキャラクター。ちなみに1558年生まれ。


千福丸……高虎と四葩の男子。


朝倉景鏡……朝倉家の重臣であったが真っ先に織田に降伏。その後は浅井家臣となり、高虎と四葩の婚姻を機に「朝倉家当主」の座を高虎に明け渡してその家臣となる。




◇浅井家

浅井長政……若き浅井家の当主。好人物であるが時に果断であり、非情な決断を下す事もできる人物。

終章の少し後、「金ヶ崎内大臣」と呼ばれることになる。


お市……長政の妻。非常に仲睦まじく、最終的には第五子を産んだ。


阿閉貞征……高虎の直接の上官であった存在。高虎及び田中吉政の身柄を引き渡す事により出世街道をたどり、終章では北越前にて十五万石を取るまでに至っていた。山崎決戦にて、かつての部下である高虎を守るために突撃。明智秀満の攻撃により死亡した。


浅井政澄……浅井の一族だが、久政寄りであったため出世街道から外されていた。

天竜川の戦いの名目的浅井軍総大将。その後は出番なし。


赤尾清綱……久政在世のころからの長政派の中心人物。野良田から山崎まで長く戦い続け、天竜川では武田軍に対峙する軍勢の副将を務めた。最終的には近江守として長政の旧領の大半を治め、後に但馬へ転封される。


磯野員昌……久政在世のころからの長政派の中心人物。越前に侵攻した一向宗を高虎の助力もあって撃退し、その後そのまま加賀守となる。その後は最前線に近い加賀を守っていたため山崎決戦には出番なし。越後に干渉する軍の総大将を任されていると言う役どころである。


田中吉政……高虎と並ぶ浅井の若手で、やはり旧阿閉家臣。長政に強引に引き抜かれて遠江援護に出されてから活躍し、主に丹後方面でその武勇を振るった。

最終的には因幡一国を与えられている。


遠藤直経……長政の側近。表立って戦場に出る事はなく指導者的立場だが、それでも若い主人をよく支えていた。


海北綱親……直経と並ぶ浅井の宿老。


石田佐吉……のちの石田三成。今作では本多正信により見出され、その配下となった。天性の治才を持つがかなり喧嘩っ早い。


浅井久政……長政の父。序章時点で既に隠居しているが未だに権力を持つ。

根っからの反織田であり、それが高じて息子に対し反旗を翻した。

最後まで高虎と織田を呪いながら、織田信忠により首を落とされた。


今村掃部……久政の側近。無茶を言う久政に頭を抱える。久政謀叛後生き延びたが、そのまま隠居した。

(浅井方諸侯)

武田元明……若狭武田家の当主。朝倉家滅亡の際に織田家に臣従するが実権はなく、ずっと三年間孤軍奮闘していた。長政の姪婿。浅井による若狭侵攻後は杣山城の城主となっている。


一色義道……四識の一家である丹後の大名。浅井に降伏してその地位を保ったが勝家の横暴に恐怖心を抱き、柴田勝家を守ろうとしなかった。それでも丹後一国を与えられているように浅井には忠実だった。




◇織田家

織田信長……織田家を一代で大大名にした人物。桶狭間の戦いにより長政に勇気を与え、その上お市との婚姻により長政と同盟を結ぶ。

大胆な行動で浅井を守った高虎を気に入っており、自分の手元に置こうとした。名より実を取る価値観と敏速なる行動を持って領国を広げていたがどこか抜けている面があり、明智光秀の謀叛を読み切れず本能寺にて爆死した。


濃姫……信長の妻。政略結婚であったが信長とはなんだかんだで仲睦まじく、それでいて言うべきことは言う。

本能寺にて明智光秀に殺された。


柴田勝家……かつて信長と敵対した織田家一の猛将。お市に恋慕している。

その代償のように高虎に二度戦いを挑むが、共にかわされている。

本能寺の変に伴う毛利急襲の際に一色義道に対しとった態度が原因で援護が得られず、但馬まで逃げ込んだ所で力尽きた。


前田利家……柴田勝家を親父殿と慕う男。力自慢ではあるがきめは細かく誠実で、勝家が高虎や一色義道に取った態度に付いて素直に憤っていた。その上で割り切りもできる好人物である。


丹羽長秀……初めて高虎と会った織田の将。温和な好人物で織田と浅井の仲をしっかりと取り持った。のち山城守となり瀬戸内海側から毛利に攻撃をかけるが、本能寺の変により播磨に閉じ込められる。戦後は元職に復した。


羽柴秀吉……農民上がりの重臣。高虎と越前攻めの段階で出会い、信長同様にその存在を狙っていた。史実とほぼ同じ時期に羽柴姓を名乗り、南近江の領国を治める。本能寺の変の後播磨から山崎決戦に駆け付け、戦後は本願寺の見張り役を命ぜられる。


佐久間信盛……織田の宿老。退き佐久間の通称を持つ慎重な性格。戦後は新政権の織田方筆頭となる予定である。


滝川一益……伊勢攻撃を担当していた織田の重臣。伊勢平定後は伊賀や天竜川、信長死後は兼山城や山崎などを転戦する。


織田信忠……信長の長子。信長の理論を理解する賢さはあるが、信長のような激しさはない。信長を通じて高虎を知り、本能寺の変の後には勝手に親友と呼ばわる。

山崎決戦の後、征夷大将軍となる事が決まっている。


北畠信雄・神戸信孝……信長の次男、三男。お互いに強いライバル意識を抱く。

(織田方諸侯)

松永久秀……大和の大名。大仏殿を焼き、足利義輝を殺すなど多くの悪行に手を染めて来た。本多正信の旧主の一人。高虎の事を気に入っている。最終的には足利義昭をも討ち取った。作中ではずっと織田家臣であった。


三木自綱……飛騨の国人。織田・浅井の配下となり飛騨の統一を狙っていた。浅井久政謀叛の際に織田に降っている。戦後、念願の飛騨守になれたらしい。


山中鹿之助……尼子家の重臣。毛利を討つべく織田に投降したが、半ば飼い殺しに近い形で押し込められていた。山崎決戦において毛利を追うが、前田利家にたしなめられて矛を収めている。




◇徳川家

徳川家康……三河・遠江の大名。本多正信との間に複雑な感情を持つ。誠意と勇猛さにあふれるように見えて計算の立つ人物。ただ本作では狸親父と言われるほど表立って老獪ではない。


酒井忠次……徳川家の重臣。家康の叔父で十五歳上と言う事もあり、家康を振り回す高虎にあまり好感を抱いていない。その事をかなり気にしており、指摘されるとやたらに慌てる。信長いわく「可愛い男」。


石川数正……徳川家の重臣。浅井家の勢力伸長を冷静に評価する理性的な人物。


大久保忠世……大久保兄弟の兄。越前以来、忠次と同じ理由で高虎にあまり好感を持っていない。


本多忠勝……若き猛将で、徳川の四人の宿老の中では唯一家康より年下。年少の高虎に好感を抱いている。


榊原康政……平侍上がりの将。高虎の天竜川での戦いぶりにあこがれを抱き、兼山城の戦いでは先鋒、山崎決戦では一軍の将となった。良い意味で青臭い人物。




◇朝倉家

朝倉義景……朝倉家の当主。良くも悪くも戦国時代になじめない悠長な人間であり、戦にまったく慣れていなかった。

連続の敗戦と家臣の謀叛により心が折れ、自害。


朝倉景紀……景鏡と並ぶ朝倉家の重臣。一乗谷城の謀叛の際に脱出。加賀へと逃げ込み一向一揆に降り、浅井と織田に対する激しい敵意をまき散らした。

その後は愛王を連れ出して幕府に入り、その後毛利に走り山崎で阿閉貞征に討たれた。


朝倉景恒……景紀の息子。景紀と共に加賀に逃亡、その後加賀の動乱を経て飛騨から信濃へ亡命、その後上杉の配下となった。

景紀以上に高虎への敵意に取り付かれており、部隊をかき乱したあげく農民たちに殺された。


朝倉愛王……義景の息子。第一章時点で一歳。一乗谷城陥落後は加賀へ逃がされ、そこで名目だけの「朝倉家当主」となっていた。加賀陥落の際に景紀により連れ出され、「朝倉景昭」として浅井久政に担ぎ出されるが高虎らに救出される。

その後は義兄である高虎の擁護を受け、最後には虎高の養子「藤堂虎景」として本当に高虎の義弟となった。


富田長繁……木ノ芽城の守将。奇襲を受けた木ノ芽城を守っていたが雑兵たちの攻撃により負傷し、藤堂高虎にとどめを刺された。





◇本願寺

本願寺顕如……本願寺の当主。「仏敵」織田との戦いを進めていたが、敗戦により自重を重ね、反宗教改革と言うべき綱紀粛正に乗り出す。

最終的に本願寺の独立を守り抜いた。


本願寺教如……顕如の息子。過激派で、四葩の婚約者だったと言われている。

今作では顕如にたしなめられるだけの役。


下間頼照……本願寺より加賀に派遣された坊官。宗教的権威を盾にかなり民をこき使っていた。「天魔の子」の生みの親。

最期は住民により反逆され、討ち死に。


七里頼周……頼照の同僚。頼照とまったく類友であり、一乗谷の戦いにおいて高虎により真っ先に斬り倒された。


斎藤龍興……かつての美濃の国主。かなりの猛将に出世していたが、同時にそのカリスマと功績を危険視された。そのため織田軍に事実上三連勝しながら一乗谷の戦いでも後方に置き捨てられ、惨敗後はその尻拭いをさせられる格好で突撃。だが高虎は応じず、自害して果てた。


下間頼廉……顕如の腹心の坊官。頼照と違いこちらはまとも。




◇武田家

武田信玄……甲斐の虎と言われた戦国大名。天竜川の戦いで三者連合軍と対峙する。本来は慎重な性格だが国情を顧みて大胆に浅井陣への突撃を敢行、武田家の猛将と共に押し切らんとするが高虎により太刀先をはぐらかされ続け、最後には高虎自らにより討ち死に。


内藤昌豊……初めて高虎と対峙した武田四名臣の一人。高虎により軍から引きずり出され、そのまま討ち取られた。


馬場信房……武田四名臣の一人で武田一の猛将。不死身の馬場美濃と呼ばれた猛将であったが、挟撃により戦死。


山県昌景……武田四名臣の一人。人海戦術で押しつぶされる格好で一人きりにされ、最終的に高虎と直基に討ち取られた。


武藤喜兵衛(真田昌幸)……信玄の近習。天竜川の戦いを生き延び、兄二人の後を継いで真田家の当主となり、勝頼の側近となる。その頭脳で武田家を支えんとしたが謙信の暴走を止めきれず、山崎決戦のすぐ後に織田に服属させる形で武田を生き延びさせた。


武田信虎……家臣により追放されていた信玄の父親。幕臣となっており、浅井久政の要請を受けて小谷城へ入っていた。八十近いにもかかわらず剣の腕前も戦略眼も鈍っていなかったが、藤堂高虎の前に敗れた。


武田勝頼……信玄の四男で信玄の後継者。戦後、昌幸の勧めで織田に降伏し、その家を守り抜いた。


仁科盛信……勝頼の弟。信濃を守り、三者連合軍による美濃侵攻戦では美濃攻撃を行ったが、北条や上杉との関係が良化したため引き抜かれた結果の弱兵ばかりではどうしようもなかった。


小山田信茂……武田の重臣。甲斐の東側を守っていた。

将としては一流であったが、やはり北条との関係改善により精鋭を持って行かれた軍ではどうにもならなかった。




◇上杉家

上杉謙信……越後の竜、毘沙門天の生まれ変わりと言われた上杉家の当主。関東管領を受け継ぐために上杉姓となったいきさつを持ち、そのため幕府への忠誠心は最大級。だがそのため視野狭窄になっている面がある。

義昭を追放した信長たちを討つべく武田・北条と手を組み美濃から侵攻するが、藤堂高虎により惑わされる格好で大敗。越後へ逃げ帰るが、義昭の訃報を聞かされ自害して果てた。


上杉景勝……謙信の甥で養子の一人。武田家を説得した。


上杉景虎……北条氏政の弟で謙信の養子。実家の北条氏を説得した。


鬼小島弥太郎……上杉一の猛将。兼山城の戦いで討ち死に。


斉藤朝信……上杉の将。兼山城の戦いで討ち死に。




◇明智軍

明智光秀……織田重臣であったが同時に幕府に対する忠誠心も高く、旧来の権威を否定する信長に嫌気が差していた。

比叡山焼き討ちにより完全に信長に対する忠誠心が消え失せ、浪人時代に培った人脈を武器に信長に制止を求めるが敵わず、謀叛を決意。

本能寺の変により信長を焼くと足利義昭を呼び戻し幕府再興を計るが、忠誠心と理想にのみ支配された政策であっという間に不興を買い、藤堂高虎を朝敵として戦を行うも敗戦。最期には半ば狂い死にのような形で藤堂軍に討ち取られた。


明智秀満……光秀の従兄弟。堺の町において激しい取り立てを行い、町を荒廃させていた。山中鹿之助により山崎にて討ち死に。


斎藤利三……光秀の重臣で、主に幕府の内部にいて光秀の政策を補強する策を立てていた。山崎決戦では義昭の護衛を担当していたが、本願寺軍の攻撃により討ち死にした。




◇幕府

足利義昭……十五代目征夷大将軍。還俗の果ての傀儡将軍で、ほとんど権威はなかった。一時京を追われ毛利領に亡命するが、光秀の謀叛により京に復帰。幕府を再興する。

だが結局はその明智光秀の傀儡である事に変わりはなく、最終的には兄にして先々代将軍である義輝と同じく久秀により殺された。


細川藤孝……織田や浅井と幕府の仲を必死に取り持っていたが早い段階で疎遠となり織田に降った。


細川昭元……細川家の当主。一応管領だがほとんど権威はない。義昭逃亡の際に同行したがほとんど意欲もなく、幕府再興後も横滑り的に閑職を回されただけだった。戦後は義昭の供養を務めることになる。


伊勢貞興……幕府の執事。と言っても第一章の時点でまだ九歳であったが、それでも幕府にとっては大事な家臣であった。義昭にずっと付き従っていたが、光秀により謀叛人と言う虚説を吹っ掛けられて斬首された。




□それ以外の人物

宇喜多直家……備前の梟雄。本能寺の変後、積極的に織田陣営に味方した。


島左近……一応筒井家の家臣だが、実質久秀の家老と化している。


今川氏真……今川義元の息子。桶狭間の戦いから流れ流れて京へとたどり着き、公卿たちと触れ合って過ごしている。信長から「夢」を聞かされた唯一の人物。


近衛前久……前関白。織田派の公卿であり、本能寺の変の後浅井領に亡命した。

戦後は京へと戻っている。

なお、信長や長政に官職を与えたのも前久である。


吉川元春……毛利元就の次男。浅井の敦賀港建設に危機感を抱き、まだ織田の中国侵攻の脅威と相まって明智軍に付く事を決めた。

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