疑念
ニャーゴ巡査『かさぶたさんですか?久しぶりですね。何かあったのかな?警部、この子は先日別件で被害を受けたばっかりですよ。なにかありましたか?』
相変わらず空気読めないニャーゴだ。でも、なんとかその場を諫めようとしているのを感じる。
ベテラン警部『いや、白骨化前に現場付近で見たという連絡を近隣住民から受けてね、それにこの遺書!』
遺書を見せてもらった。そこには家族への感謝と自殺の理由が書かれていた。わたしはかさぶたを絶対に許さないという文章で最後は締めくくられていた。
『ただ、頭蓋骨陥没してるんだよ。こんなの自殺ではないわな。だから、まずは遺書に書いてあるさかぶたを疑ってるんだよ』
ニャーゴ巡査『かさぶたさん、何か山に行く理由があったの?まずはどんな行動を取ったのか詳しく教えて』
かさぶた『わたし、その日は友達のマリコに誘われてワラビ採りにいきました。でも、エリカさんは見ていません』
ベテラン警部『ふむふむ、ではマリコさんに後日聞いてみよう。今日はもう帰っていいよ』
ニャーゴ巡査『ちょっとよくわからないけど、かさぶたさんがそんなことするなんて思えなかったんだ。まぁ、これからも協力してね』
帰り際、ベテラン警部からさっきは凄んでごめんな、と言われたことが救いであった。
後日、とんでもない事件が勃発することなど知るよしもなかったんだ。