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愛の春夏秋冬  作者: 綾咲 彩希
2/9

日常の春夏秋冬

今回春夏秋冬シリーズはとにかく性格の悪い人間を意識して書きました。

楽しめればいいと思います。

胸糞悪くなったら嬉しいようでごめんなさい。

冬の日常



 私には、恋人が居る。

 ――高校

 名前、夏川なつかわ海色みいろ

 年齢、十七歳。

 身長、少し高め。

 体重、重い。持てない。

 部活動、帰宅部。

 好きな食べ物、不明。

 嫌いな食べ物、不明。

 好きな動物、不明。

 嫌いな動物、不明。

 家族構成、不明。

 趣味、不明。

 特技、不明。

 フェチ、不明。

 それが私の恋人。夏川海色のプロフィール。

 

 季節は冬。木葉は寒さで全て枯れ落ち、動物達が冬眠に入っている頃。私は布団に丸まり、まるで芋虫のように寝ていた。そんな布団に丸まる芋虫のような私を彼は起こしに来る。

「朝だよ」

「zzz」

「学校だよ」

「zzz」

「遅刻するよ」

「zzz」

 気持ちよく寝る私を彼は決して無理矢理起こそうとはしない。怒鳴るわけでもなく、身体を揺らすわけでもなく、布団を引っ張ったりせず、ただ声をかける。普通より小さな声で私が起きるまで待っている。一度寝たふりを続けた所、彼はお昼が過ぎても私を小さな声で私の名前を呼んだ。お昼を過ぎ、一時間。また一時間。そのまた一時間。結局、私がトイレと空腹に耐えかねるまで彼は私の名前を読み続けた。 その日の学校は遅刻処か欠席になったのは言うまでもない。

「ご飯冷めるよ?」

「……」

 正直、お腹が空いた。トイレにも行きたい。でも、寒くて眠くて起きたくない。私の中で人間と鬼が激しく争っている。その戦いの激闘の末に人間が勝った。

「メニューは?」

「ご飯、目玉焼き、漬物、豚汁」

「美味しそうだね」

「雪子の好きな食べ物を揃えたよ。和食好きだよね?」

「ねぇ」

 私は布団から手を出し、指でくいくいと顔を寄せるように指示する。彼は、素直にそれに応じた。可愛い奴。

「なに?」

「ご褒美」

 私は布団から顔を出し、彼の顔を逃げられないようにがっちり掴む。私の唇が彼の唇と重なる。彼の唇は柔らかさはまるで女の子のようだ。対して私の唇は切れてガサガサ。普通は逆のはずなんだけど。そのまま私は彼の唇から舌を入れる。彼の口の中はとても温かく歯磨き粉の味がした。歯の裏を舐めたり、舌を絡ませたりする。彼は無反応で抵抗も便乗もしてはくれない。ただ、私にされるがままだった。私の気が済んだ所で彼を解放する。

「どうだった?」

「どうって?」

「キスの感想」

「・・・」

「感想」

「良かった」

 彼はぶっきらぼうに答えた。何もなかったかのように。私はベッドから起き上がり、トイレに向かう。と、その前に

「服と今日の授業の準備してて。海色」

「分かった。雪子」



「行こっか?」

「うん」

 私達は二ヶ月前から付き合っている。既に学校の噂にもなっており、名前は確か「ロミオと傷物あかずきん」。

 私の顔や身体には無数の傷があり、それ故に傷物あかずきん。赤ずきんという少女はおじに犯され、それを理由におじの腹を斬ったという物語。故に傷物。別にレイプされた訳ではないけど、顔や身体に無数の傷があるから傷物。誰かが付けたくだらない名前には違いない。でも、自分で言うのもなんだが顔が不細工という訳ではない。人並み。平均以上はあるつもりだ。傷さえなければ。

 私達は恋人だ。恋人だから登校する道でもいちゃいちゃする。

「海色。左手出して」

「うん」

 海色の手は温かい。私の手は冷たい。この差はなんだろう。海色の手は人間の手だ。生きてる人間の手だ。この温かさで私は自分が生きてるのかどうかすら疑問に感じてしまう。

「雪子」

「なに?」

 海色は自分のポケットに私の手ごと入れる。温かい。

「カイロ」

「ズルい。自分だけ」

「雪子のポケットにも入ってる」

「マジ??」

 左手で自分のポケットを確認すると両方入ってる。家を出てすぐ海色と手を握ってたから気づかなかった。

「離す?」

「このままでいい」

 私は海色の手を力強く握った。海色の手はいつまでも温かった。




夏の日常


 俺には、恋人が居る。

 ――高校

 名前、冬月ふゆつき雪子ゆきこ

 年齢、十七歳。

 身長、低め。

 体重、軽い。

 部活動、帰宅部。

 好きな食べ物、和食。

 嫌いな食べ物、苦いもの。

 好きな動物、カピパラ。

 嫌いな動物、犬、猫。

 家族構成、父、母、雪子。

 趣味、寝ること。

 特技、寝ること。

 フェチ、不明。

 それが俺の恋人。冬月雪子のプロフィール。


 二ヶ月前から俺と雪子は恋人になった。告白してきたのは雪子からだった。俺は雪子好きだったのですぐに了承した。

 学校では基本一緒に居る。休み時間。昼休み。放課後。離れることが少ない。それが「ロミオと傷物あかずきん」の恋人風景だった。

 毎日、俺が雪子の家に行き朝の準備をする。制服の準備、朝食と昼食の準備、顔を洗うとき冷たいといけないから暖かいお湯にしておく。それが済んだら雪子を起こし戯れ、顔を洗い、トイレに向かい、朝食の食べ終え制服を着終わるまで待っておく。

 昼休みには一緒にご飯を一緒に食べる。雪子の苦手なものは余り入れず、バランスのいい弁当を作っている。多分。

「海色」

「なに?」

「あ~ん」

 雪子は最後に残った卵焼きを食べさせろと口を開けている。周りにはクラスの皆がいる。それをお構いなしに食べさせろと口を開けている。いや、見せつけたいのかもしれない。

 俺は、最期に残った卵焼きを雪子の口へと運ぶ。半分くらいは残ると期待したが、雪子はそんな期待を無視し一口で卵焼きを食べた。

「ありがとう。海色」

「いいよ。別に」

 俺と雪子の弁当は俺が作っている。弁当の中身は違えど味は同じ。卵焼きは俺の弁当にも雪子の弁当にも入っている。雪子は卵焼きが好きなのかと一度聞いた事があるが「別に?」と答えられた。

「あ、海色。放課後時間ある?」

「あるよ」

 きっと、あれだろう。


 雪子はよくキスをする。それは学校でも同じことだった。

 俺と雪子は校舎の裏側でキスをする。唇を重ね、舌を絡ませ、唾液をだらしなく垂らす。セックスまではいかない。もし、人に見られれば学校ですぐに噂になってしまうだろう。「ロミオと傷物あかずきん」が付き合ったこと事態が学校に一日で広まったくらいだ。雪子はそれを気にしない。言わせたい奴には言わせておけばいいのだと言う。俺は雪子には決して反抗をしない。雪子がどんなわがままを言ったとしても俺は従わなければならない。それが俺と雪子の「契約」だからだ。


「あ、今日紅葉と帰るから。後で、家に来てね」

「分かった」

 俺は雪子と別れた後、時間潰しに学校の近くにある公園に行くことにした。小さな公園で草木は既に枯れ落ちている。あるのは、二台のブランコと小さな滑り台だけだった。学生はおろか誰も近寄ろうとはしない。だが、ブランコに一人だけゆらゆらとブランコを揺らす人物が居た。その人は俺の知人だったが、声をかけようとは思わなかった。

季節きせつさん~」

 何は思ったのか俺はその人の名前を呼んだ。

「やぁ、久しぶりだね。えーと、海色みいろ君?だったかな?二ヶ月ぶりだね。いや、あの時ぶりの方がいいかな?」

季節さんは、冬の寒さを吹き飛ばす程の恐怖の笑みを俺に対し微笑んだ。おかけで、俺は足が震え鳥肌が止まらない。だから、話しかけたくなかったんだ。




秋の日常


 ウチには、好きな人が居る。

 ――高校

 名前、冬月ふゆつき雪子ゆきこ

 年齢、十七歳。

 身長、少し低め。

 体重、軽いに決まってる。

 部活動、帰宅部。

 好きな食べ物、卵焼き。

 嫌いな食べ物、ピーマン。

 好きな動物、カピパラ。

 嫌いな動物、犬、猫。

 家族構成、不明。

 趣味、オシャレ。

 特技、遅刻。

 フェチ、海色フェチ。

 それがウチの好きな人。冬月雪子のプロフィール。


 ウチは冬月雪子に恋をしている。ウチは女でこの恋は結ばれないことは分かっている。それでも、この恋を諦めたくない。

 教室の窓際の席である私は、寒い空気の中起き上がり、顔を洗いトイレに向かい、制服に着替え朝食を食べて急いで学校に向かう。

 寒い空気に撫でながら走るのはどうしても不快だった。寒さという存在が、冬という名の季節が大嫌いだ。冬には色がない。まるで虚無だ。寂しいし悲しくなる。それでも、私は学校に急ぐ。

 冬の季節でも厚着をしていれば身体は温まるし汗も多少にかく。私は自分のクラスを通りすぎ一個隣のクラスに向かう。教室の中を覗き誰もいないことを確認する。窓際の一番隅の席、それが雪ちゃんの席だった。

 鞄を起き雪ちゃんの席に座る。ヒヤッとした椅子の冷たさが足を伝って来るのがよく分かる。その冷たさが火照った体を癒してくれる。机にも顔を付ける。冷たい。雪ちゃんが知ったら怒るかな?幻滅するかな?悪いと思っては居るけれど止められない。これが私の日々の日課だった。机と椅子の冷たさで私は私を落ち着けている。そうでもしないと、この恋が燃えがってしまいそうだ。ウチは冬月雪子に恋をしている。私はぼそりと呟いた。

「雪ちゃん」

 切なかった。


「ねぇ、聞いた?紅葉」

「何が?」

 昼休みの時間。弁当を一緒に食べていた××(もぶ)が興奮気味に話しかけてきた。こういうときは、ろくなことがない。

「三年の先輩方、やっぱり死んでたんだってぇ~。」

「死んだ?」

「そうそうッ!!しかも六人だよッ!!六人ッ!!凄くないッ!!」

 何が凄いのかウチに説明してくれ。

「六人の死に方がヤバイのよ」

「死に方?」

「元々ヤバい先輩達だったらしんだけどぉ~」

 ××(もぶ)が言うには、友達同士の殺しあいだったそうだ。

 一人は撲殺。

 一人は絞殺。

 一人は斬殺。

 一人は斬殺。

 一人は斬殺。

 一人は自殺。

 確かに異様と思えば異様だ。そういえば、二ヶ月前にこの学校でそんな騒ぎもあった。ニュースにもなったし、事件にもなった。だが、先輩方は精神病での集団自殺と幕を下ろした。決定的だったのが、先輩方六人の友達。幻想の友達「詩人」。先輩方は、普通と言えば普通の先輩である。私も何度か目にしたことがあったり、なかったり。先輩方は互いにあだ名で呼びあった。

 こびと、きじん、きじん、ばんにん、はくじん、ゆうじん。漢字に直すならきっと、小人、奇人、貴人、番人、白人、友人。

 小人先輩は偉そうだっだがバスケがとても上手く司令塔として活躍していた。

 奇人先輩は優しい人だった。ヤンキーが猫を助けるなんていうものではなく、ヤンキーが無償で全人類を助けてしまうぐらい優しい人だった。

 貴人先輩はぼんぼんと怪我人のイメージが強い。ウチの前をボロボロの包帯巻き、ミイラ男となって歩いていた。よく、そんな怪我で学校に来るなとウチは心底関心した。

 番人先輩はリーダー。否の打ち所がないくらいに完璧。人間の完成形みたいな人だった。

 白人先輩は運動においてはきっと上位に入る程の実力者だった。怪我さえしなければ、きっと全国も狙えただろう。

 友人先輩はこの六人をまとめた張本人。不登校だった生徒を自ら登校させたという伝説の持ち主。噂では貴人先輩の怪我は友人先輩がしたものだとかなんとか。

 先輩方の言う七人目「詩人」

 幻想と噂されているが、何人かの目撃者が居るのも確かだった。だが、学校の名簿にはそんな人物存在しない。学校処かこの町にも県にも存在しない。(まぁ、あだ名だから)まさに幻想だった。

「紅葉あんまり興味無さそうだねぇ~」

「まぁ、ウチあんまりそういうことは……」

 持参のお茶を飲む。お茶の風味が舌に広がり幸せを感じさせてくれる。ありがたや、ありがたや。

「あ、そういえばぁ~さっき海色と傷物あかずきん、あ~んしてたよ?」

「ぶッ!!」

 口から幸せを捨てた。

「あの二人。ラブラブだよねぇ~。紅葉~やめときな~。海色君、紅葉にぞっこんだから」

 今すぐ口を閉じろ。××(もぶ)。それ以上喋るな。私の好きな人を傷物あかずきんとか言うな。それになんで、ウチが海色を狙ったことにされてるのッ!!ウチは紅葉愛やラブッ!!海色なんてこの世から消えてしまえ。

「あはは」

 殺したい。心底殺したい。

「ほら、噂をすれば」

 廊下に目線を移すと女神が居た。

「紅葉~」

「雪ちゃんッ!!」

「ちょっといい?」

「いいよッ!!」

 全速力で雪ちゃんの元へ向かう。クラスの連中もぶ達の目線なんて値しない。

「どうしたの?雪ちゃん」

「今日、一緒に帰らない?」

「喜んでッ!!」

 あぁ、この瞬間をどのくらい待ったか。放課後デート。二週間ぶりの放課後デート。涙が出そう。

「なら、いつもの所で」

「うん」

 雪ちゃんが行った事を確認して小さなガッツポーズを決めた。見たか、海色。雪ちゃんはお前よりウチと帰りたいんだ。



 ウチ、秋原紅葉は浮かれていた。好きな人と帰る感覚はきっと男女、男男、女女共通なのだと思う。

 心臓がどっくん、どっくん動いてるのが分かる。外は寒いのに、何故か体と心は温かい。雪ちゃんを待っている時間は異様に短く感じてしまう。何時間待っていようと雪ちゃんが来てくれると分かっているなら、それだけでいくらでも待っていられる。

「ごめん、待った?」

「全然だよ。」

 十五分くらいしか経ってないよ?

「なら、行こう」

「うん」

 雪ちゃんは帰り道の途中、いろいろな所に寄る。服やアクセサリー。女子が見回りそうな所を回る。服を試着する雪ちゃん。アクセサリーを見て可愛いという雪ちゃん。そんな雪ちゃんが可愛い。我が人生、最高。

 良かった。喜んでくれて。

 ウチ不自然じゃないよね?笑えてる?話し方可笑しくない?雪ちゃんの口から海色の話は出ないようにしてる?幸せな時間を無駄にしたくない。でも、もし、ウチ達が本当の恋人なら

「ねぇ、雪ちゃん」

「どうしたの?紅葉」

「どうして、雪ちゃんは海色君と付き合ってるの?」

 …やってしまった。今、幸せな時間を無駄にしたくないと思っていたばかりなのに。自分から潰しに行ってしまった。

「ん~。知りたい?」

「知りたい…かな?」

「内緒♪」

 ウチと雪ちゃんの仲でも教えては貰えない。それが今日の日常だった。




私には、好きな人も恋人もいない。

 ――高校

 名前、春野はるのさくら

 年齢、十七歳。

 身長、高め。

 体重、BMIは通常

 部活動、帰宅部。

 好きな食べ物、特になし。

 嫌いな食べ物、マズい安物。

 好きな動物、犬。

 嫌いな動物、猫。

 家族構成、父、母、妹。

 趣味、人間遊び。

 特技、誘惑。

 フェチ、筋肉。

 それが私。春野桜のプロフィール。


 私は私自身が好き。自分の顔が好き。自分の体が好き。目も鼻も唇も首も鎖骨も胸も腹も股もお尻も太腿も脹脛も足も全てが好き。結局の所、自己愛が激しすぎる女なんだと思います。でも、私は私を彩るものが嫌いで、私が私で無くなること怖いんだと思います。それで例え、個性や特徴がなくなったとしてもいいです。

 私は、自分が誰かに好かれ愛されることが好きなんです。求められることは気持ちよく快楽によく似ています。

 最初は年下の後輩でした。彼が告白してくる頃には、彼に好意があることは知っていました。緊張している顔はとても可愛く思えて、私は彼の告白を受けることにしました。付き合って間もない頃、昼から彼の家で自宅デートをしていた頃。彼は純情で私に何かをしようとはしませんでした。彼は純情であるまえに童貞で女性との付き合い方も知らない。私は、そのことに何かを感じました。何を感じたのかは思い出せません。ただ、

 もし、私が彼を押し倒し快楽というものを教えてあげたらどうだろう。

 もし、私が彼に跨りながら罵れば彼はどんな顔を見せてくれるんだろう。

 もし、私が彼の恥ずかしい顔をビデオでとって脅したらどんな反応をしてくれるのだろう。

 もし、私が彼に真実を言ったら彼は面白いだろうな。

 私は彼に跨り、恥ずかしさと苦しそうな顔の耳元で囁きました。

「私、実をいうと貴方のこと好きじゃないの。ごめんなさい」

 彼が私の目の前に現すことはありませんでした。


 次は、友達の恋人です。

 たまたま友達を待っている間に二人っきりになった時です。

 ふと、とあることを考えついた私は彼に一言

「××の彼女になれるなんて××も幸せものだね」

 笑顔で言ってみました。

 次の日から、恋人は私の前に現れるようになりました。偶然を装って。

 私は楽しかったのかもしれません。誰かに求められることが。誰かの者を奪い取る感覚が。魅力のある人を以上に魅せることが。

 恋人とセックスするまでに時間はかかりませんでした。勿論、友達は知りませんでした。

「ねぇ、××のことどう思う?」

 私はあえて小声で言いました。

「ん~、つまんない女」

「でも、付き合ってるんでしょ?」

「遊び、遊び。だってヤラせてくれないし。つまんないじゃん」

 つまらないのはどっちなのかと思ってしまいます。ここで、好きや褒め言葉が出たならもう少し楽しめたと思うのですが残念です。

 セックスも下手。性格も最悪。(人のことを言えたことではないですが)


「ねぇ、最近。彼氏とはどう?」

「・・・」

 友達は黙っています。ここ一週間元気がありません。

「悩みがあるなら相談に乗るよ」

 優しい言葉を並べて。

「辛いことがあるなら話すだけでも楽になるよ」

 求めてそうな言葉を並べて

「私達、親友でしょ」

 誘惑する。

 友達は私の胸を借りてわんわんと泣きました。

 なんでも、一週間前にビデオテープが机の中に入っており中身を見たら、恋人が誰かと寝ている姿が移ってたそうです。ビデオの中の恋人は友達に酷い言葉を並べており問いただした所、「あの女」と言いどこかに言ったそうです。そういえば、一週間前に恋人が来てなにか私に言っていたような気がしますが色々バラされてはマズいことを録音したテープを聞かせたら血相を変えてどこかに行ってしまったような気がします。友達は恋人の行方も分からず、さらに恋人と寝ている女性の声は聞こえないということで自分はどうすればいいのか分からないということです。

 恋人の真意も分からず、寝ていた女性のことも分からない。私でもどうすることも出来ません。

 次の日。恋人は自殺していました。きっと余程バラされてマズい録音テープのことで悩んでいたのでしょう。友達も精神が崩壊して病院送り。

 この時、私の中で生まれた感情は罪悪感でも優越感でもなく達成感と高揚感でした。

 楽しかったです。本当に楽しかったんです。心の底から楽しかったんです。誰かの愛がこれほど嬉しく、これほど気持ちいいとは思いませんでした。私は初めてイケたような気がします。

 

 学校からの帰り道。

 今思うとあそこから始まったのだと、寒さの中私は思いふけって居ました。

 愛が本物であればあるほど、真実であればあるほど気持ちよさは増していきます。

 いいじゃないですか。少しぐらい。

 愛なんて一日に何万と生まれている。

 その愛の芽を少しぐらい摘みとっても。

 私にない愛を他の皆は持っている。それが羨ましくて羨ましくて。

「憎い」

 

 学校の近くには公園があります。その公園は小さく子供も寄り付きません。公園の横をいつも横切る私は思います。なんで、ここ無くならないのだろうと。ですが、今回は珍しいことに先客居ました。

 少し短いくらいの髪。白い肌。整った顔。ブランコに座っているだけで魅せるその姿。同じ制服。

 確か、名前は・・・駄目です。どうしても思い出せない。

 気付くと彼はどこかに行ってしまい、公園には姿がありませんでした。

 私は寒さに負けず潤った唇をぺろりと舐めます。

「おいしそう」














おまけ

季節の日常。


 夜十二時、黒猫が前を通った。

 夜二時十五分。酔っぱらいのおっさんが公園で倒れた。

 夜三時。酔っぱらいのおっさん起き上がる。

 夜三時一分。酔っぱらいのおっさん。吐く。大量に。

 夜三時三分。まだ吐く。

 夜三時五分。まだ吐いてる。

 夜三時十分。ようやく落ち着き、公園から出て行く。

 朝四時。一人の女性がボロボロ涙を流しながら泣いている。彼氏と喧嘩したそうだ。

 朝四時十五分。女性爆睡。 

 朝五時三十分。起床

 朝五時四十分。ラジオ体操をし始める。ボクも何故かさせられた。

 朝六時。朝食。何故か一緒に食べることになった。

 朝六時二十五分。女性帰宅。

 朝七時。ホームレスが空き缶を拾う。ちなみにゲロも処理してくれた。ありがたい。

 昼十二時。見た目優等生が猫を段ボールに入れ捨てる。

 昼三時。おやつではなく、見た目不良が猫を拾う。

 夕方四時三十分。海色君と話す。

 夕方五時。海色君帰る。女性がこちらを見ながら、唇を舐め美味しそうと呟いている。危機を感じた。


次回は時間がかかるかも知れません。

何人読んでいるか分かりませんけど(汗

感想など受け付けているのでよろしくお願いします。

(どんどん性格が悪くなっていきます)

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