僕がこの図書館で働く理由1
更新は亀速度なので気長に待って下さい。
僕は森の中を彷徨っている。もうすぐで噂に聴く図書館に着くはずだが…
「お兄さん、どうかされましたか?」
声が聴こえた方を向くと美しい女性が立っていた。どうやら困っている僕を見兼ねて話し掛けてくれたようだ。
「すいません、この森に建っている図書館へ行きたいのですが…」
「そこでしたら私の家ですので着いて来て下さい。」
僕は女性に着いて行く。女性は迷うことなく図書館へ連れて行ってくれた。やはり図書館と呼ばれているだけはあり、それなりに大きな建物だ。
女性に連れられ図書館の中に案内される。
「この図書館にどの様な御用で?」
僕は鞄の中からある紙を取り出す。
「この紙を見つけてここに来たのですが…」
紙にはこの図書館でのアルバイトについてが書かれている。
「アルバイトの面接でしたか。あそこの椅子に座って待っていて下さい。」
僕は言われた通りに椅子に座り、待つ。
「待っている間、自由にしていて下さい。」
どうやら長い間、待っていなければいけない様だ。
僕は自分の鞄の中に入れてあった本を取り出し読む。
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どれぐらい経ったのだろうか。本を読み終えてしまい、することがなくなってしまった。
周りを見ても先ほどの女性は居らず、まだ待っていなければいけない様だ。
僕は鞄の中に本を直し、天井を見ていることにした。
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何時間位こうしていただろうか? そんな事を考えながら見飽きた天井から正面を見ることにした。
先ほどの女性はこの図書館を1人で管理しているらしく、急いではいないが忙しそうに歩き回っている。
ようやく用事がひと段落したのか、僕の前の椅子に座る。
「長い事待たせてしまってすみません。 面接なのですが質問に1つ答えて頂くだけで結構です。」
「どうしてですか? 僕はまだ何もしてませんよ?」
「長時間待ったもらうのがこの面接での試験となっています。ですので質問に1つ答えて頂くだけで良いのです。」
どうやら先ほど間で待ち時間も面接に関係していた様だ。
確かに長時間待つ事も出来なければ図書館のアルバイトなど出来るわけが無い。
「分かりました。それではお願いします。」
「それでは質問をいたします。貴方はここの噂を聴いてどう思いましたか?」
ここの噂…
ここにくれば現実的な願いなら叶う謎の図書館。
そのためかこの図書館を利用する人は限られており、通っている者はかなりの変人か願いを叶えたい者達だけだ。
「僕はこの図書館の噂はどうでもいいと思いました。」
僕の答えを聞いた女性は少し笑うと、立ち上がり手を差し伸べてくる。
「そうですか、貴方をこの図書館で雇いたいと思います。これから宜しく。」
僕は女性の手をとった。