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高校生だったのに!  作者: 梶村焔彌
転生後・幼児
8/12

転生直後、生まれる前

―――ボチャンッ!


俺が落ちたところは、音からして水のあるところらしい…


(って溺れる!水面どこだ!)


モガくがいっこうに水面が見えない。空気を求めて必死に両手両足を使う。上へ上へ…


(上ってどっちだ?)


モガくのは良いが、どこに向かえば空気があるのか、それさえ分からなくなっている。自分の状態が把握できない。


(もう…無理……)


とうとう口に、鼻に水が入ってきた。しかし…


(…?平気だ……何で?)


水が体の中に入ってきても息苦しくはない。そもそも、自分は自分で息をしていない。


(…どうなってる?)

『それはね〜、君は今産まれてくる前だからだよ。元誠也君』

(て…天死!?何でおまえの声が聞こえてくるんだ?)


頭に直接天死の声が聞こえてきた。しかも問いかけた質問に答えてきた。


『また君の担当になっちゃったんだよね〜。だからまたよろしくね〜』

(…よろしくって言われてもなぁ…)

『と言うより、させてもらったって言った方がぶなんかな?』

(してもらったんかい!職権乱用じゃね!?)

『あぁ、そこは心配いらないよ。僕、一番偉いから』

(そのことだよ!…そもそも、何で俺なんかの担当にまたなったんだよ…)

『ん?楽しそうだから。ついでに言うと、聞きそびれた事があったからまた担当にしてもらったんだ。担当じゃないと会えないし、話しも出来ないから』


からからと笑いながら言っている。こっちの気持ち、考えていないな。


(…第一に楽しそうだからと言ったお前が担当なんて……他の人に変えてくれ…)

『もう無理だよ〜。決まっちゃったんだから』


天死がそうに言ったのならば、他の人は従うしかないのだろう。完璧独裁者だ…。


(んで、聞きそびれた事って何だ?)

『あぁ。そうそう、忘れてた』

(忘れんなよ!つか忘れんの早っ!)


相変わらずツッコミどころ満載な天死。疲れんだよ?ツッコミ入れんの。


『聞きそびれた事はね〜、記憶どうするって事なんだけどさ。どうする?消すんなら産まれると同時に消えるようにするけど…』

(ん〜。…いいや。このままで良いよ。どうせさ、あっても無くても関係ないなら消す必要ないし)


記憶はあっても無くても関係ない。ならば、今までの記憶から生きていくというのも悪くはない。強いて言うなら、ありのままの俺でいたいから残す。そう結論づけた。


『分かった。それと、自我はハッキリするまで曖昧にさせとくから。あと、基礎能力、身体能力は上乗せしといたから。記憶力も上昇してるよ。僕の独断で』

(…さらにチート感増したな……。あと、独断て……)


天死ってこんなに横暴だったんだなと認識をした。今までよく天界機能してたなと同情した。


『さて、もうすぐ君は産まれる頃だろう。だから最後に…でもないけど、いつでも僕を呼べば話せるようにしたから。何かあったら呼んでね〜』


頑張ってね〜と言いながら天死の声が遠ざかった。


一人ぽつんと残された俺は、この後どうするのか分からなかった。


(天死はもうすぐ俺が産まれる頃って言ってたよな…。というか、呼べば話せるようにしたからって何だよ!?頼んだ覚えないんだが…)


―――グイッ


いきなりどこかから押される感じがした。


(うわっ!…く…苦し……!)


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