表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
高校生だったのに!  作者: 梶村焔彌
転生前
7/12

行く(逝く)1分前

まず「人種」という項目をタッチしてみる。すると「人間」・「エルフ」・「獣人」・「魔族」・「龍族」……とあった。


(確かに言うよりこっちの方がいいな)


「本当に何でもいいのか?」

「好きにしていいよ。ちょっとチートかもしれないけどね」


(それじゃあ…)


俺は「エルフ」と「龍族」を選んだ。いわゆるハーフと言うことだ。「人間」も捨てがたかったが、「龍族」は人型もとれるとあるのでそれにした。


次の項目は「スキル」。これまたタッチすると沢山出てきた。魔法から一般技術まで。ありとあらゆる種類があった(数え切れないほど…)。


その中で、「全魔法」・「魔力上昇」・「精霊魔法」・「索敵」・「剣術」・「身体能力上昇」・「自然回復」の7つを選んだ。「エルフ」のハーフであっても、精霊魔法が使えない場合もあり得ると思って、「精霊魔法」は入れておいた。


(マジでチートすぎる……つうか、最強じゃね?これ……)


そんな事を考えつつ、次々に項目を開け、設定をしていく。



最終的にはこうなった。


「エルフ」と「龍族」のハーフ

「全魔法」・「魔力上昇」・「精霊魔法」・「索敵」・「剣術」・「身体能力上昇」・「自然回復」

美形(少し)

兄弟か姉妹がいること

等々。


(流石にダメかな……)


「良いんじゃない?それでいい?」


背後から声が聞こえた。


(気づかなかった……)


いつの間にか背後にいた天死は、最終確認画面を見つめていた。


「天死……さすがにこれはチートすぎね?」

「いや、大丈夫だと思うよ?……多分」

「多分じゃねぇかっ!」


ボケをかます天死につっこむ俺。コンビ結……


(成な訳あるかっ!つか、天死となんて無茶だ!組みたくもねぇっ)


今だに画面を見ている天死。


「ちょっとチートかもしれないけど、異常ってことですむから大丈夫大丈夫!多分じゃないから安心してよ誠也君」

「えっ?本当か?」

「うん。でも、ちょっと人生大変かもよ?色々と」

「そんなん構うもんか。大変な方が生き甲斐があるし」

「本当の本当の本当?」

「…くどいっ!」


そんなわけで。


天死にさっき決めた通りの情報を魂に書いてもらった。


「はい。これでもう行けるよ(逝けるよ)」

「サンキュー天死。あと何か変な意味入ってないか?」

「気のせいだよ〜」


とは言ったものの、見えないので不安になる。自分自身では変わったということをまだ実感できていない。ということは、行ってから(逝ってから)しか分からないということだ。


「で、どうやって行くんだ?」


――――ドンッ


「ひぎゃっ!」


奇声が出てしまったのはしょうがない。なんたって、いきなり背中を勢いよく押してくる人(?)がいたんだから。何もしようがない。

俺はそのままの勢いで倒れ込んだ。


「ってぇ〜、何すんだ天死!」

「行ってらっしゃい(逝ってらっしゃい)誠也君。元気でね〜」

「は?何を言って……」


その声が掛け声だったかのように、俺の倒れている辺りの地面が、一瞬にして消え去った。

当然浮かんでいられるわけもなく、真っ逆さまに落下するのみである(羽があれば別だったが…。それは言うまでもない)。


「うわぁぁぁああああ!」



その姿が見えなくなったあと、一人残った天死。


「また生まれたら会いに行くとしますか。それまで元気で、誠也君」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ