何だろね…
そして現在に至る。
「はい、こちら生まれ変わり受付センターです。こちらでは生まれ変わりに関しての質問、および付属スキルなどのリクエストなどを受け付けております。あなた様は何のご用件でしょう……」
「…ふ……ふざけんな天死っ!」
「あれ、バレた?」
「バレた?っじゃねぇよ。それ以前になんだここはっ!それに、さっさと電話に出ろよ!」
電話に出た相手は、死んだ直後に話していた天死だった。
「まぁまぁ、落ち着いてよ。ここは生きている人間から言うなれば天界というところだよ」
「天…界?ここが?」
「そう。君はもうあそこにいる意味をなさなくなったからここに呼ばれたわけ。ちゃんとお別れできたでしょ?声はかけられなかったと思うけど」
天死の声は、少し苦笑が混ざっている気がした。
「もしかして、天死の時間がないって言ったのって…俺のため?」
「さぁて、どうだか」
俺の質問ははぐらかされてしまった。しかしその声はさっきとは違って、からかうように聞こえた。
「さて、と。まず質問を受付ましょうか」
コホンと咳払いをしてから問いかけられたら。
質問。質問はたくさんあるが、何から聞こうか頭の中を巡りに巡ったので、なかなか声にならなかった。
「あれ?何もないの?…じゃあ、次に……」
「待てっ、ある。あるが……」
「何を聞いて良いか分からないって感じだねぇ」
「分かってんなら次にいこうとするなっ!」
笑い声をあげる天死に苛ついて、怒声を浴びせた。しかし、そんな声にも耳を傾けずに、しまいには爆笑する始末…。
「あっはっはっ……ふぅ。いや、ゴメンゴメン」
「ゴメンですめばなんとやら、と言うよな?」
「しかし、このままじゃ話しずらいからこっち来てくんない?」
「話し聞けっ!…って、えっ!?」
電話の向こうでパチンッと音が聞こえた、と感じた瞬間に、周囲がいきなり発光し始めた。と思ったら目の前の風景が消え、今度は本がたくさんある書斎みたいな場所に立っていた。目の前には天死が座っていた。
「???」
俺の頭の上にはクエスチョンマークが沢山あることだろう。口は言葉を発することなくパクパクさせていた。
「ようこそ、僕の部屋へ」
「…は?」
「だから、ぼ・く・の・へ・やっ!」
「ふぅん」
「でね〜、さっきも聞いたんだけど……」
見回せば天井まで伸びる本棚がある。そこにはありとあらゆる種類の言葉(読めないやつが大半だが)の背表紙が見える。
(すげぇ高さだな。どうやって取る…あっ、羽があるか)
「ねぇ、話聞いてる?」
「いや、全く」
「はぁ…んで質問は?」
天死は呆れつつさっきと同じことを問いかけてきた。
「とりあえず、あの町みたいなもの。それと時間感覚がないのは死んだせい?」
思いつく物はこれぐらいだった。さしてたいしたものでもなかったけど、聞きたい物だと判断した。
「そだね。あれは天界にすむ住人のための町だよ。あれらの素材は雲だから簡単に作れるんだよね〜。それと時間感覚はその通り。死んだら要らないから」
「今さ、天界にすむ住人のための町って言ったけど、その人たちを見なかったんだけど?」
「あぁそっか。君には見えなくしておいたんだよ。お互いのためにね」