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悠宮探久~リオスの不思議なラビリンス~  作者: 和本明子
◆2章 何も見えぬことに恐怖し、危険を知った場所
6/17

-2-

 右手にはショートソード、左手にはリンゴを持ち、リオスは進み行く。

 辺りを警戒しつつも、リンゴを軽く宙に放り投げたりしては、どことなく余裕があった。


 そうこうしていると遠方の壁に、大きな穴……トンネルらしきものが見えてきた。

 リオスは駆け足でトンネルの方近づく。


 手前で中を覗う。

 しかし、暗闇が広がっており、明かりは奥まで届いておらず、一メートル先も何も見えない状況だった。


 ここで辺りを覗っているだけでは、何も始まらないので、リオスはやむなく暗闇の中を進むことにした。


 慎重かつ丁寧にゆっくりと、手探りながらも進んでいく。

 ショートソードの剣先を前に突き出し、振りつかせていた。


 こうしながら歩いていけば、もし先が壁や異物などに行き着いても、衝突することは免れる。


 ふと、後ろを振り返る。


 先ほど入ってきた場所から、小さくなった光が指していた。


 あの光を見失ってしまったら、ここから戻ることが出来なくなる……と、不安に思った瞬間、


――ザッ


 自分とは別の足音が聴こえた。

 リオスはその音がした方向を向くと同時に、


――ガッツン!


 重く強い衝撃が頭に響いた。


「っ!」


 痛みが奔る。

 突然のことに、戸惑い困惑するリオス。

 危機的状況に陥っていると、瞬時に判断した。


 だが暗闇で、何も見えない。


 そんな状況下だからこそ、混乱しつつショートソードを大きく振り回し、自分に“攻撃”してきたものに対して抵抗したのだった。


――ザシュッ!


 何かを切る手応えがあった。

 近くに何かがいることが解った。そして、それは危険が目の前に居るということでもあった。


 敵の第二撃が繰り出され、リオスの左肩を棒状のようなもので殴られる。

 かなりの痛みだ。


 その痛みを堪えてリオスは反撃に出るも、今度は命中せず、空振ってしまった。


 暗闇という中、リオスは敵の姿を確認出来ないでいたが、相手……敵は、まるでこちらが見えているのかのように攻撃を繰り出し、命中させていく。


 不利な状況であり、このまま戦うということは無謀であると、痛みが増すごとに明確されていった。


 今のリオスにやるべきことは、戦うことでは無く、逃げることだった。

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