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右手にはショートソード、左手にはリンゴを持ち、リオスは進み行く。
辺りを警戒しつつも、リンゴを軽く宙に放り投げたりしては、どことなく余裕があった。
そうこうしていると遠方の壁に、大きな穴……トンネルらしきものが見えてきた。
リオスは駆け足でトンネルの方近づく。
手前で中を覗う。
しかし、暗闇が広がっており、明かりは奥まで届いておらず、一メートル先も何も見えない状況だった。
ここで辺りを覗っているだけでは、何も始まらないので、リオスはやむなく暗闇の中を進むことにした。
慎重かつ丁寧にゆっくりと、手探りながらも進んでいく。
ショートソードの剣先を前に突き出し、振りつかせていた。
こうしながら歩いていけば、もし先が壁や異物などに行き着いても、衝突することは免れる。
ふと、後ろを振り返る。
先ほど入ってきた場所から、小さくなった光が指していた。
あの光を見失ってしまったら、ここから戻ることが出来なくなる……と、不安に思った瞬間、
――ザッ
自分とは別の足音が聴こえた。
リオスはその音がした方向を向くと同時に、
――ガッツン!
重く強い衝撃が頭に響いた。
「っ!」
痛みが奔る。
突然のことに、戸惑い困惑するリオス。
危機的状況に陥っていると、瞬時に判断した。
だが暗闇で、何も見えない。
そんな状況下だからこそ、混乱しつつショートソードを大きく振り回し、自分に“攻撃”してきたものに対して抵抗したのだった。
――ザシュッ!
何かを切る手応えがあった。
近くに何かがいることが解った。そして、それは危険が目の前に居るということでもあった。
敵の第二撃が繰り出され、リオスの左肩を棒状のようなもので殴られる。
かなりの痛みだ。
その痛みを堪えてリオスは反撃に出るも、今度は命中せず、空振ってしまった。
暗闇という中、リオスは敵の姿を確認出来ないでいたが、相手……敵は、まるでこちらが見えているのかのように攻撃を繰り出し、命中させていく。
不利な状況であり、このまま戦うということは無謀であると、痛みが増すごとに明確されていった。
今のリオスにやるべきことは、戦うことでは無く、逃げることだった。




