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リオスは自分の腰ぐらいある生い茂った草を、手に入れた武器…ショートソードを気分良く振り回し、進行を遮る草木を刈り取りながら道を切り拓いていた。
時々、自分を襲ってきたラビッグと同じ獣が現れたりしたが、このショートソードで難なく撃退していったのである。
協力な武器を手に入れたリオスは、本来の目的である……この場所の出口を探していた。
エデンの小部屋みたく、この部屋にも何処かに扉みたいにものがあるかもと考えた。
そこで、エデンの小部屋がある場所を『北』と定め、まずは南へと真っ直ぐ進んで行っていた。
すると、
「ん、あれは……」
道中で、“赤い果実が実っている木”を見つけたのであった。
思わず早歩きになり、木に近づく。
そしてリオスは、届く範囲の果実をもぎ取り、すぐに匂いを嗅いだ。
甘くフルーティな香りが鼻を包む。
そして、恐る恐る噛み、口にした。
――シャリ♪
と、心地良い歯ごたえと共に甘い汁が口に広がる。
「うん。美味い!」
どこかで食べたことが有るような味だったが、それが何の味だったのか記憶を喪失しているリオスにとって、何とも言えぬもどかしさを感じさせた。
だが突然、ある事が閃く。
「これ“リンゴ”だ!」
今、自分が食しているものは何かであるかが、判明したのである。
再び食べる。
間違いなく、リンゴだった。
記憶を呼び覚ましたことに、ある考えが浮かぶ。
もしかしたら、何かしらを得たり、体験をしていけば、何かを思い出していけるのではと思った。
リオスがやるべき事が見えてきた。
探索して、何かを見つけたり体験したりすれば、何かを思いだすかも知れない。
そして、出口を探す。
これだけだ。
リンゴという存在の他に、自分が何をやるべきかが解り、リオスの気持ちは少し晴れた。
そして休憩を取り、空いていた小腹を膨らませるために、次々とリンゴを食べていった。
「ふ~」
リンゴを食べていると、少しだけ疲労が和らいだような感じがした。
そしてリオスは満足し、本来の目的である出口を探すために、その場を後にしようとしたが、折角なので残りのリンゴも持って帰ろうした。
しかし、袋といった収納するものが無かったので、仕方なく一個だけ手に取ると、そのまま手に持ち、南へと進み始めた。




