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“椅子”を手にしたリオスは、先ほどの場所……剣が突き刺さっているのが見える所まで来ていた。
辺りを警戒をしつつ、剣の場所へと一歩一歩と近づいていく。
ここからダッシュすれば、ラビッグと遭遇せずに剣まで辿り着けそうだった。
走り出そうとした時、草むらから草が擦れる音がし、ラビッグが飛び出してきたのである。
そして、ラビッグはリオスに一目散に襲い掛かってきた。
対策を立てていたリオスは、手にしていた椅子を勢い良く振り回すと、飛び掛ってきたラビッグに攻撃が命中する。
椅子は殴った衝撃に耐え切れず、音をたて木屑となりて飛散し、分解した。
そして、殴られたラビッグは地面に叩きつけられた。
手元にある唯一の武器が壊れた今、リオスは次なる武器を手にするべく、剣の方へ向かって駆け出す。
ラビッグは少しフラフラしていたが、すぐに正気に戻り、リオスの方へ追いかける。
剣までの道は平坦ではなく凸凹しており、その凹に右足を取られ、転びそうになるが、左足で力強く踏み留まり、バランスを整えた。
そのかいもあって転ぶことは回避できたが、走るスピードが落ち、ラビッグとの距離が縮まってしまった。
リオスは、右足に力を入れ、思いっきり地面を蹴り上げた。
それは走るよりも、ホップだった。続けて、左足でステップ。最後に、両足でジャンプ。
跳躍したことにより距離を一気に稼ぎ、剣の場所へ辿り着いた。
リオスは、宙に浮いた状態のまま両手で剣の柄を握り、その勢いによって剣は地面から抜けてしまった。
受身を取ることが出来ず、不恰好に倒れこんだが、すぐさま上半身を起こし、剣先をラビッグの方へと向ける。
剣の刃が、薄刃でリオスの腕程の長さしかない為なのか、片手でも持てるほどの重さだった。
ラビッグは、剣が危険な物だと感じ取ったのか、足を止め立ち止まる。
その隙にリオスは立ち上がり、戦闘体勢へと構えた。
―――このまま、そこで立ち止まってくれ。
―――できれば、立ち去ってくれ。
リオスは願ったが、その願いは叶わず。
ラビッグは逃げることなく勇敢に立ち向かってきたのである。
飛び掛ってくるラビッグを狙ってリオスは剣を振ったが、先ほどの椅子みたいに攻撃は命中せずに、反対にラビッグの体当たりを受けてしまう。
重い衝撃が腹に響く。
意識が途切れそうになるほどの痛みだった――だが、ここで意識を途切れてしまっては、あちらの餌となってしまう。
リオスは根性で踏ん張り、傍にいたラビッグに向けて剣を振り下ろすと、片耳を切断した。
痛みで奇声をあげるラビッグ。
「よしっ」と、喜んだのも束の間。
それに怒ったラビッグは、こちらの肉を喰い千切ろうとばかりに、口を大きく開けて、飛び掛かる。
―――ガッキィン
金属がぶつかり合う音が響いた。
リオスはとっさに剣を寝かして防御の姿勢を取っていた。
ラビッグが噛んだのは、剣の刃だったのだ。
剣を噛み付いて離れないラビッグを力を込めて蹴り飛ばした。
ラビッグが悶絶し地面ら転がっていると、リオスは飛び掛り、ラビッグの腹を狙って、剣を突き刺した。
ラビッグは暴れ狂うが、己の腹を突き貫けて地面に刺さった剣は抜けなかった。
やがて、ラビッグは動かなくなり、息も絶えた。
リオスは、動かなくなった事を確認すると、恐る恐るラビッグに近づき、剣を引き抜いた。
ラビッグは動かない。
リオスは、地面に尻を付け、そのまま仰向けになって倒れこんだ。
「あ~疲れた……」
今の状態を一言で述べ、光を発光している天井を見つつ、息を吐いた。
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◆◇◆このフロアでの戦果◆◇◆
ラビッグを倒した。
ショートソードを手に入れた。
戦う勇気を得た。
To Be Continued ‥‥




