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悠宮探久~リオスの不思議なラビリンス~  作者: 和本明子
◆1章 小さな剣と小さい魔物、そして小さくも大きな勇気を見つけた場所
4/17

-3-

 “椅子”を手にしたリオスは、先ほどの場所……剣が突き刺さっているのが見える所まで来ていた。


 辺りを警戒をしつつ、剣の場所へと一歩一歩と近づいていく。


 ここからダッシュすれば、ラビッグと遭遇せずに剣まで辿り着けそうだった。

 走り出そうとした時、草むらから草が擦れる音がし、ラビッグが飛び出してきたのである。


 そして、ラビッグはリオスに一目散に襲い掛かってきた。


 対策を立てていたリオスは、手にしていた椅子を勢い良く振り回すと、飛び掛ってきたラビッグに攻撃が命中する。


 椅子は殴った衝撃に耐え切れず、音をたて木屑となりて飛散し、分解した。


 そして、殴られたラビッグは地面に叩きつけられた。


 手元にある唯一の武器が壊れた今、リオスは次なる武器を手にするべく、剣の方へ向かって駆け出す。


 ラビッグは少しフラフラしていたが、すぐに正気に戻り、リオスの方へ追いかける。


 剣までの道は平坦ではなく凸凹しており、その凹に右足を取られ、転びそうになるが、左足で力強く踏み留まり、バランスを整えた。


 そのかいもあって転ぶことは回避できたが、走るスピードが落ち、ラビッグとの距離が縮まってしまった。


 リオスは、右足に力を入れ、思いっきり地面を蹴り上げた。

 それは走るよりも、ホップだった。続けて、左足でステップ。最後に、両足でジャンプ。


 跳躍したことにより距離を一気に稼ぎ、剣の場所へ辿り着いた。


 リオスは、宙に浮いた状態のまま両手で剣の柄を握り、その勢いによって剣は地面から抜けてしまった。


 受身を取ることが出来ず、不恰好に倒れこんだが、すぐさま上半身を起こし、剣先をラビッグの方へと向ける。


 剣の刃が、薄刃でリオスの腕程の長さしかない為なのか、片手でも持てるほどの重さだった。


 ラビッグは、剣が危険な物だと感じ取ったのか、足を止め立ち止まる。


 その隙にリオスは立ち上がり、戦闘体勢へと構えた。


―――このまま、そこで立ち止まってくれ。

―――できれば、立ち去ってくれ。


 リオスは願ったが、その願いは叶わず。

 ラビッグは逃げることなく勇敢に立ち向かってきたのである。


 飛び掛ってくるラビッグを狙ってリオスは剣を振ったが、先ほどの椅子みたいに攻撃は命中せずに、反対にラビッグの体当たりを受けてしまう。


 重い衝撃が腹に響く。


 意識が途切れそうになるほどの痛みだった――だが、ここで意識を途切れてしまっては、あちらの餌となってしまう。


 リオスは根性で踏ん張り、傍にいたラビッグに向けて剣を振り下ろすと、片耳を切断した。


 痛みで奇声をあげるラビッグ。


「よしっ」と、喜んだのも束の間。


 それに怒ったラビッグは、こちらの肉を喰い千切ろうとばかりに、口を大きく開けて、飛び掛かる。


―――ガッキィン


 金属がぶつかり合う音が響いた。


 リオスはとっさに剣を寝かして防御の姿勢を取っていた。

 ラビッグが噛んだのは、剣の刃だったのだ。


 剣を噛み付いて離れないラビッグを力を込めて蹴り飛ばした。


 ラビッグが悶絶し地面ら転がっていると、リオスは飛び掛り、ラビッグの腹を狙って、剣を突き刺した。


 ラビッグは暴れ狂うが、己の腹を突き貫けて地面に刺さった剣は抜けなかった。


 やがて、ラビッグは動かなくなり、息も絶えた。


 リオスは、動かなくなった事を確認すると、恐る恐るラビッグに近づき、剣を引き抜いた。


 ラビッグは動かない。


 リオスは、地面に尻を付け、そのまま仰向けになって倒れこんだ。


「あ~疲れた……」


 今の状態を一言で述べ、光を発光している天井を見つつ、息を吐いた。


 ・

 ・

 ・


 ◆◇◆このフロアでの戦果◆◇◆


 ラビッグを倒した。

 ショートソードを手に入れた。


 戦う勇気を得た。


To Be Continued ‥‥


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