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作者: 瑞代 杏




 私は生まれた時から空っぽで、空っぽの体を抱えながら無意味な年月を過ごしてきた。


 ある日、空っぽの私は全てにおいて満たされていたお姉ちゃんをナイフで刺した。

 そうしたら、いつものように微笑みながら床に倒れて、空っぽになったお姉ちゃんはそれっきり動かなくなった。

 満たされていたお姉ちゃんを刺したら、私も満たされると思っていた。

 けれど、私は空っぽのまま――何も変わらなかった。


 自分の胸にナイフを刺して、空っぽのお姉ちゃんの横に寝てみた。

 空っぽの私に、お姉ちゃんはいつものように、微笑んではくれなかった。


 結局、最期まで私は空っぽのままだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  文学というよりも、詩、という印象を受けました。 [気になる点]  近年刊行されている小説は、句読点が少ない事でスマートにしようとしているようです。が、この作品においては、句読点を駆使す…
2012/02/24 23:06 退会済み
管理
[一言] 悲しくもシュールなお話ですね。 小説というより詩に近い印象を受けました。 奥の深いテーマを上手く表現されていると思いました。 素敵な時間をありがとうございました。
2012/02/24 21:25 退会済み
管理
[一言] 同じ企画に参加してるものです。 なるほど、心の空虚をコミカルタッチに描いたんですね。 心が満たされることなんて無いのに。意味深な感じがしました。
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