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初春ー赤
瞼閉じる、黒紅梅憶える揺れる水面。
瞼開く、紅梅こぼれる宙。
透き通るような君にふさわしい口紅を笑って喜んだ
紅に染まる空を見上げ綺麗だと言い微笑んだ
隣に並ぶときは緊張があった
それでも気分は悪くなかった
誰のせいでもない
誰も悪くはない
儚く美しくも感じる赤
君は好きだと言っていた
揺れる焔
心も世界も
もう紅鳶の瞳に視線をぶつけられない
もう紅潮した頬を見ることもない
もう声を聞くこともない
瞼開く、悲しい色の世界
瞼閉じる、赤が似合う君
早いと怒られようが伝えたかった
ずっと隣に居たいから