8話 スライム狩りへ
「それじゃ準備できたか?」
「うん、ギル君できてるよ。」
「私もできてるわ。」
「そうか、なら行こうか。」
私たちは10の鐘がなる頃ギルドへと向かった。
「ナンシーさんこんにちは。」
「あら、アイリスさんギルベント君こんにちは。そちらの方は初めましてですかね?」
「フィーレシアです。よろしくお願いします。」
「あら、よろしくお願いします。私は当ギルドで受付をしているナンシーと申します。フィーレシアさんは今回新規登録でしょうか?」
「そうです。」
「わかりました。ではこちらに必要事項の記入をお願いします。」
私たちはフィーが登録用紙をかいている間に今日の予定を立てる。
「それで今日はスライム狩りですか?」
「ええそうよ。フィーの、フィーレシアの魔法の練習も兼ねているんです。」
「そうなんですね。ちなみにどこまで行くつもりですか?」
「草原で狩る予定よ…そうよねギル君?」
「ああ、そうだ。だが、草原はあまりいないんだよな。」
「そうなんだ。なら森の近くまで行く?」
「それは危険だろう。フィーレシアもそうだがアイリスも討伐は初めてだろう?」
「なら、東にある盆地はどうですか?あそこならスライムくらいしか出ないですし討伐に慣れるにはちょうどいいと思いますが。でも少し数が多いんですよね。」
「俺はそこ行ったことないんだよな。危険は少ないのか?」
「はい、森の周辺よりは安全でしょう。辛いのは湿気とスライムの数だけなので。」
「いいんじゃない?そこに行きましょうよ。」
「そうだな…魔法の練習も兼ねるなら的が多い方が良いかもしれないな。」
「ごめんなさいね気をつかわせちゃって。あ、ナンシーさんこれお願いします。」
「はい、承りました。それでは少々お待ちください。」
私たちはフィーのギルドカードを受け取って盆地に向うため草原を歩いていった。
「そういえばアイリスって一昨日冒険者登録したのよね?」
「そうよ。それがどうかしたの?」
「だってアイリスもうFランクになってるじゃない。そんなすぐにランクって上がるものなの?」
「ああ、それはな…」
フィーの質問に私が答える前にギル君が私の初依頼のことを説明し始めてしまった。
「アイリス…アンタそれはおかしいと思うわよ。」
おかしいって…フィーにまで言われてしまった。
私がまたもや軽く落ち込んでしまっていると、
「二人とも少し止まってくれ何かいるぞ。」
そうギル君が警告してきた。
「ギルベルトどこにいるの?」
「おそらく左の草むらだな。」
私とフィーはそちらの方を見るが、何の変哲もないただの草むらにしか見えない。
「ねえギル君ほんとにそこに何かいるの?」
私がそう言うとギル君はしゃがんで石を拾いながら、
「身構えておけよ…それじゃいくぞ。」
そうしてギル君は何の変哲もない草むらに向かって石を投げ込んだ。
すると突然その草むらがガサガサといいだした。
「来るぞ、気をつけろよ。」
ギル君のその言葉とともに緑色のスライムが3匹現れた。
<スライム>
危険度: F
レベル: 2
・HP : 26/25
・MP : 3/3
・筋力 : 8
・耐久 : 13
・俊敏 : 6
・魔力 : 2
・器用 : 5
・運 : 2
固有スキル: ・分解 LV.2
・再生 LV.1
「ほんとにいた。すごいプルプルしてるわね。」
「おいアイリスそんな感想述べてないで魔法使えよ。」
ギル君は私にジトっとした目を向けながら私たちとスライムの間に立った。
「風の刃よ、切り裂け『エアカッター』」
「ほら、フィーはちゃんと戦ってるぞ。」
「うぅ、ごめんなさい。炎よ、我が敵を燃やせ『ファイヤーボール』〜!」
ドゴーン
私が放ったファイヤーボールはそんな音を立て、スライム1匹を跡形もなく焼き尽くした。
「「「「・・・・・」」」」
私たちは全員して動きを止め、その様子を見ていた。いや、むしろスライムも含めて動きを止めてその様子を見ていた。
「なぁ…アイリスなにしてんだ?」
「え、戦闘?」
「い、威力おかしくないか?」
「えっと…とりあえず戦わないといけないと思って…マナ込めすぎた。」
プルプルっプル?
「あ、そういえばまだ残ってたわね…倒す?」
「いや、なんかもう良いんじゃないか?フィーレシアもそれで良いか?」
「えぇいいわよ。」
「そう言うことだ。行ってもいいぞ。」
プルプル?
「ねえ、普通の魔物は言葉わからないんじゃ…アイリスもそう思わない?」
「そう思うけど...スライムさんたち帰っていいですよ。」
プルルプルプル!
「え、本当に帰っていった。」
私がそう言うと、スライムたちは森の方向に向かって行った。
【説得スキルを獲得しました。】
棚ぼたで新しいスキルまで獲得してしまった。
「…それじゃ行きましょうか。」
私のその言葉に残りの二人は疲れたかのように頷くとギル君を先頭にして盆地に向かって歩き始めた。
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