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07:チンピラたちに試合を申し込む

今回、短いです

「ぐああ!!」


「……今度からは学校でミーティングはやめとこうぜ」


 最後のチンピラを吹っ飛ばす。

 ろくに練習していないこいつらは普通に貧弱だった。


「き、如月……てめえ!」


 チンピラが立ち上がって殴りかかってくるが、痛くも痒くもない。


「く、くそ……!! 野球部では手加減してたのか!?」


「いや……野球部で暴行沙汰があったら出場停止とかになって嫌だったからなだけで、お前たち現野球部に関係ない今はいくらでもやり返すぞ」


 俺の言葉を聞いたチンピラたちは「ひ、ひい……!」となんとも情けない言葉を漏らしながら逃げようとする。

 でも、そうは問屋が卸さない。


「待てよ。今回は練習終わりで良かったが、今度は練習を邪魔しに来る奴がいるかもしれねえ。いや、一人になったところを狙うやつが出るかもな。だから見せしめに、お前たちが前してたカツアゲと今回の痴漢の証拠を警察に持っていこうと思う」


「「「なっ!?」」」


 なぜか驚いているが、当然の処置だと思う。

 ……が、俺たちの目標は現野球部を倒すことだ。

 そのためにこいつらを使おう。


「た、頼む! 許してくれ!」


 無様に許しを請うチンピラたちに手を差し伸べる。


「いいぜ。代わりに明日、俺たちと練習試合をしろ」


「え?」


「メンバーは誰でもいいぜ。どうせなら元二軍の奴らでも。場所は学校のグラウンドだ」


 元二軍っていうのは、矢羽部たち現一軍のことだ。

 あいつらはサボるどころか迷惑しかかけなかったので、普通に一軍から外されていたのだ。


「……は、は! 試合に勝てば訴えないんだな!? 望むところだ!!」


「今のうちに言い訳でも考えておくんだな!!」


 そう吐き捨て、チンピラたちが逃げていった。


「……都合のいい奴らだな」


「別にいいだろ。それよりも、明日の練習試合のことだ。……大学側には午前中は行けなくなったと伝えておく」


「う、うん……でも、勝てるの?」


「べつに勝たなくていいだろ。大事なのは二週間後の本番だ。明日は試合に慣れることを目標にしよう」


「ああ。明日は気負わずに、練習通りのプレイをすることを心がけよう」


 小澤の言葉に、みんな……特に初心者の5人が緊張した顔で頷いた。


「まあ大丈夫だって! さっきもそうだったけど、あいつら体は弱いからそうそう負けねえよ!!」


 しょうじき、あれが向こうのデフォルトなら戸口でも一対一なら勝てるだろう……矢羽部のような中学で有名だった奴らは難しいかもしれないけど。


「よし! 明日の試合に備えて、今日はもう休もう!」


 みんなに号令を出して今日は解散になった。

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