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忘れ雪

作者: komomo

行くなとは言えなかった


毎晩悩んで目が腫れるほど

1人で声押し殺して泣いてるの

ずっと知ってたから


君を連れていく電車を待ちながら


鼻が赤いのも

目がうるんでみえるのも

寒いからかな

季節はずれの雪のせいだよって

君が笑うから


「そっか」

って白い息出しながら答えた


これは前に進むための別れ

だから悲しまずに送りたいんだ


何度も時計をみた

待つという時間はその時の気分次第で

あっという間のような

長く感じるような…


かける気の利く言葉も見つからず

このまま時よ止まれ…なんて

無言のままバカなこと考えてた


隣に立つ君を見た

いつの間にかこんなに髪伸びたんだな

綺麗になっていったのを

近くにいすぎて気づかなかった

今頃気づくなんてな…


「行ってらっしゃい。元気で」


振り絞った言葉はたったこれだけだった

君はそれだけ?って悲しそうな顔したけど

言えなかった


窓に鼻先をつけて何か言っていた言葉は

たぶんさようならだったのかな

その後はーっと息で曇らせた窓には

「バイバイ」の4文字


「俺…!本当は…」


いつまでも遠ざかって行った

君を乗せた電車を見てた

もう、毎年綺麗になっていく君を

そばで見れないんだな…


あの日飲み込んだ言葉は

君と同じ「バイバイ」じゃなくて

「好きだよ」の4文字だったんだよ


季節はずれの雪は苦い思いと共に

今も君を想い出させる…


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