初めてのデス!
どうやら今度は東の平原が攻略されたらしい。
うん、私も急がないと先を越されちゃいそうだな。
「あれ?今あの木動かなかった?『識別』」
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モンスター名:トレント¦Lv7
HP250/250
スキル
《植物操作》《火耐性脆弱》《光合成》
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「やっぱりモンスターだったわ!先手必勝『ダークボール』『ホーリーボール』」
トレントが魔法を避ける事など出来るはずもなく、呆気なく光の粒子となった。同じレベル位のモンスターでもたった二発で倒せちゃうんだから流石進化した中級スキルだね。
「えーとドロップは『鑑定』」
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トレントの枝
レア度:2
説明:トレントから採れた枝
トレントの木の仮面
レア度:3
説明:トレントの顔部分から採れた木の仮面。
効果:敵に見つかりにくくなる
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木の仮面は普通に優秀だからつけるか。
敵の強さがこれくらいならもうちょっと森の奥に行っても大丈夫かな。そう思い森の奥に進んで行った。
しばらく歩いて居るといきなり開けた場所に出た。
「ここは?何だろう...。」
不思議な場所だなと考えているとそれは起こった。
ゴゴゴゴゴ!!
「っつ!何が起きてるの!?」
〔フィールドボスエリアに侵入したため、フィールドボス〝ハイトレント〟との戦闘を開始します〕
「フィールドボス!?こんなにいきなり始まるのね、『識別』!」
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モンスター名:ハイトレント¦Lv??
HP1500/1500
スキル
《植物操作》《火耐性脆弱》《光合成》《風魔法》
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「ララァァァ!」
「うわっ!痛っ!」
《識別》を終えたと同時にハイトレントが風の刃を放ってきた。自分のステータスをよく見ると、今の一撃で2割もHPが減っていた。私って結構MID高かったと思うんだけど...。これMID低いとまずいやつでは!?
「うわぁ!まずい早く回復しなきゃ...。って!さっきのオーガとの戦いでHPポーションとMPポーション使いきっちゃってた!絶望的な状況過ぎるわよ!」
しかしそんな事ハイトレントには知ったこっちゃない。問答無用で魔法を放ってくる。
「ララァァァ!!」
「くっ、出来るだけ足掻いて情報を引き出してやるわ『ホーリーレイ』『ダークランス』」
「ラァ!?」
ふーん...。どうやらハイトレントはINTは高いみたいだがMIDはそこまで高く無いようだ。私はもうMPを気にしない!さっき驚かされた恨み晴らしてやるわ!
「くらえ!『シャドウランス』『ライトランス』『ホーリーレイ』『ダークランス』『ダークボール』『ホーリーボール』!」
「ラァ!?」
ハイトレントの残りのHPを確認すると五割をきっていた。まずいもうHPとMPが殆ど無いのに...。さらに追い討ちをかけるようにハイトレントに異変が起きた。
「えっHPが回復し始めてる?そんな...。」
「ラァァァァ!」
ハイトレントが魔法を放ってきた。阿呆けている場合では無いと横に避ける。しかし目の前にはすぐ側までハイトレントの根が迫っていた。
「しまっ...。」
こうして私は初めての死に戻りをする事になった。
-----------------------------始まりの町------------------------
視界が開けるとそこは私が初めてログインした噴水の広場だった。
「うぅー、悔しいなー絶対今度リベンジしに行ってやるわ」
そう決意し、ポーションを買う為にクエストを受けてあげたおばぁちゃんのお店を探しに町を歩く。
何か周りが私の事を見ている気がするけれど気のせいかな?
そのまま歩いていると声をかけられた。
「おーい、そこの木の仮面をつけてる君!」
私も木の仮面持っているけど他にも持っている人が居たのかな?
「おーい、そこの白い髪で木の仮面をつけてる君!」
あっ...。そういえば木の仮面つけっぱなしだった。だから、あんなに周りから見られたのか、でも今から外すのは恥ずかしいからこのままでいよう。
「あぁ、すいませんそれで何ですか?」
「俺たちがレベル上げを手伝ってあげるから、パーティー組まないか?」
うーん...。私はまだ当分ソロで良いし断ろうかな。
「すいません。遠慮しておきます」
「え?俺らこう見えてもLv6なんだぜ!パーティー入れてやるから来いよ」
「いや、私はLv8なので大丈夫です」
「いや〜初心者装備でLv8って嘘は無理があるぜ」
あっ...。そういやずっと森に篭ってたから装備変えてなかったわね。
「ずっとフィールドに篭ってたから装備変えてなかっただけです!とにかく遠慮しておきます」
「良いから入れって言ってんだよ!」
うん、もうめんどくさいからGMコールしよ
「はい、こちら運営でございます。何かお困りですか?」
GMコールをしたらシェリーさんみたいな人が天使の羽を生やして現れた。
「えーと、さっきからこの人達がパーティー勧誘断ってるのに、しつこく迫ってくるんですよ」
「分かりました。では処罰を「分かったよ勧誘を辞めれば良いんだろ?じゃあな」
あいつらは処罰という言葉を聞いた瞬間何処かへ逃げてしまった。GMコール恐るべし。
「すいません。逃がしてしまいました。後で個別に注意をしに行きますね。今後もAMOをよろしくお願いします」
「あ、ありがとうございました」
さっきの奴らに注意をしに行く事を伝えたら、GMさんは消えてしまった。町に帰ってきて早々絡まれたけど気分を変えてポーションと装備をどうにかするぞ!
-----------------------------薬屋---------------------------------
「おばぁちゃん、久しぶり~」
「む?あの時の小娘か!久しぶりじゃの。どうしてそんな仮面をつけているのかは知らんが」
どうやらちゃんと私の事を憶えていたらしい。
「まぁそれは色々あって...。今日はね、ポーションが足りなくなったから買いに来たの。それと薬草も売りに来たわ」
「ほう、そうか。ではまず薬草を売ってからじゃのそうじゃないとポーション代を払えんじゃろ」
どうやらおばぁちゃんには私が無一文なのは分かっていたらしい。
「うん、じゃあそうするね。それとどこか杖や魔法使いの装備をを作ってくれるいい場所ない?」
「最近の噂じゃクチュリエという渡り人が良い腕だとか言われてたのぅ」
「クチュリエね、分かったありがとうおばぁちゃん。またね」
無事ポーションを無事補充出来たから、クチュリエというプレイヤーを探しに行くわよ!
------------------------クチュリエの店-----------------------
「すいませーん」
「いらっしゃい...。ってその仮面は掲示板で書かれてた子か」
「ん?私の事掲示板に載ってるんですか?」
「えーとね~~~」
クチュリエさんによるとさっき私に絡んできた奴は、よく初心者とパーティーを組んでドロップした物を奪うという事しているらしい。そして私は初期装備なのに木の仮面というレアドロップを持っていたから、狙われたそうだ。
「そんな事する人居るんですね」
「何処にでも何人かは居るさ。話がそれたけれど、今日はどういう要件だい?」
「えっとクチュリエさんにこれらの素材で杖や魔法使いの装備を作って欲しくて」
インベントリから今日狩ってきたモンスターの素材を机の上に出す。
「これは...。随分と量が多いね。一人で倒したのかい?」
「南の森を一人で探検してたんですけどフィールドボスにやられちゃったから装備を変えようと思って...。」
「分かったよ、数十分かかるけど待っててくれるかい?」
「はい、分かりました」
-----------------------------数十分後---------------------------
「よし、完成したよ!」
「ありがとうございます!鑑定していいですか?」
「君の装備だから大丈夫だよ」
「じゃあ『鑑定』」
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アイテム名:鬼狼のローブ
レア度:4
効果:MID+4・VIT+2
アイテム名:小鬼のブーツ
レア度:2
効果:VIT+1
アイテム名:鬼人のネックレス
レア度:4
効果:STR+2
スキル:《HP自然回復》
アイテム名:樹木の魔杖
レア度:3
効果:INT+5
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「凄いですね...。ありがとうございました!ところでお金は...。」
「大丈夫だよ、装備制作に使わなかった素材を貰ったから十分だよ」
「そうですか...。ではまた今度会いましょう」
そうして私はクチュリエさんの店から外に出た。
このままフィールドボスに挑もうかなと思ったけれど、もう24時になりそうだったのでログアウトする事にした。