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夕希救出大作戦


 「触るな!!!下女どもぉ!!!!」

 

 八雲の声に対して、夕希に群がっていた少女たちの内二人はグリンっと首を曲げ警戒心を顕にする。

 

「あぁ!?なんだよ?生徒会長の八雲さんじゃねーか?」

「混ざりに来たの~?悪いね~ゆうちんって、3人乗りなんだよね~」


 赤髪の少女、緑髪の少女の二人がニヤニヤと八雲の応対をする。蒼髪の少女はまだ夕希に対して手を合わせている。

 それでも二対一か…不利な状況には変わりがない。思考をクリアにして改めて状況を確認する。敵は三人…その中の一人はなぜか動かない。勝利条件は夕希を救出して帰ること。敗北条件はそれ以外。

 <<深呼吸をして>>、思考をクリアにしてゆく…それと同時に…

 

「ぅうっ!!?」


 鼻から脳まで突き破るような、強烈なオスの臭い。体の中からポカポカと温めてくれる―そんな香りだ。

 一瞬、自分も混ざってしまおうかという悪魔の自分が囁いてくる。しかし、そんな考えはすぐさま取り払われる。

 

「いやいや…何を考えているんですか私は…初めては和姦って決めたじゃないですか…こんな所でしちゃったら、今まで我慢してきた頑張りはどうなるんですか!」


 そう、八雲は拗らせているストーカーなのである。この程度の誘惑はどうということは無い。

 

「私の9年間を甘く見るなあああああ!!!」


 自分だけの王子を助け出さんとばかりに一歩踏み出し、そのまま敵の間を掻い潜り夕希へと近付こうとする!

 …しかし、何かに足を取られた!

「しまった…」そう思い、自分の足を確認するが…。

 

「何も…ない…?何が…今、確実に誰かに足を掴まれた…?」

 

 困惑の表情を浮かべる八雲。

 そんな、八雲の様子に二人は訝しげだ。


「こいつ…何言ってんの…?勝手にこけたくせに」

「ネル…まあいい、こんなやつほっといて、あたしらも楽しもうぜ」


 考えろ、考えろ、何かがおかしい。自分が何もないところでこんな大事な場面で転げるわけがない。観察しろ、周囲を違和感を、八雲はそう自分に言い聞かせる。

 

(あの、蒼髪の子…さっきから一ミリも動いてない?気絶している?いや、さっき瞬きしているのは確認した、なぜ?夕希のめちゃシコボディを前にして静止?)


 違う…あれで満足しているのだ。

 この部屋は夕希君の匂いで充満している。そしてそれは夕希を中心として広がっている。

 つまり、あの夕希を中心として一メートルは廃人製造機と化しているのだ。

 そして、あの蒼髪の少女も夕希の匂いで幸せを噛みしめるだけの存在となり果てている。

 

「あの夕希君周辺は危険地帯…そう考えるとすべて説明がつく。私が我慢できなくなることを直感して、私自身が進むことにロックをかけた。そういう事か…」


 そう考えるともうやることは一つ。

 八雲に応対していた二人も夕希の体を楽しみむために視線を向こうに外している。障害は一つもない。

 

「今しかない!!」


 廊下の窓、教室の窓、片っ端から全開にしていく。

 一つまた一つと。全ての仕事をやり終え、八雲は膝をつく。

 八雲自身もまた夕希のフェロモンに体力を奪われていたのだ。

 

「あとは…待つだけ…」

 

 すると、先ほどまで教室内のフェロモンの滞留を生み出していた扇風機の風が、導線をたどりフェロモンを外へ押し流す味方となってくれる。

 外に他の女性がいれば二次災害を招くが、今はテスト週間で人も少ない。パンデミックにはならないだろう。

 

 「は!?私は何を!?」

 「ゆ…ゆうちん!?ご…ごめんね!?わ…わたし…」

 「お…俺は…なんてことを…」

 

 この瞬間、三人も正気を取り戻す。

 夕希の貞操はかくして守られたのであった…。

日間総合19位…!?まあこれが投稿される頃にはもう少し下がっているでしょうが、瞬間でもこの順位が出るのは…ほんとみなさんのおかげです。

お時間あれば、今書いているもう一本のあべこべ物『男がモン娘と普通の女の子に襲われるこの世界で冒険者としてやってみよう(連載版)』もお願いしますm(__)m。

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