事件当日_1
――夕希は忘れていたこの世界が女の世界だと。
――夕希は忘れていた自分のフェロモンが女を狂わせるものであると。
中学生になった夕希は放課後に教室に残って女友達たちとテスト勉強をしていた。
「まったく、テスト前ってのは部活がなくなってつまんねーな!勉強も全然わかんねーしよー!」
「普段から勉強してないからでしょ。ほら、せっかく夕希様が見てくれてるんだから、頑張りましょう」
ぼやく赤髪の少女を長い蒼髪の少女がなだめる。
それとは別で僕は緑髪の少女に勉強を教えてもらっている。
「ゆうちーん、ここまちがえてるよ。ここの主人公の心情は男の子とねんごろになりたいだよ!」
「そんなわけないって、ちゃんと教えてよ!」
「んひひー、ごめんごめん、この問題はねー」
緑髪の少女は人懐っこい笑みをうかべて丁寧に教えてくれる。この子は変人だけどこと勉強に至ってはこの島においてトップなのであった。それに加え、教え方には教師陣も舌をまくほどであった。教えるときに僕の体をべたべた障ることを除いては…
季節は初夏、そんなにくっつかれると色んな意味で体は熱くなってくるので服をパタパタとさせ涼まざるをえない。
その際に服の隙間から胸ちらが見えたらしく、3人の目元がキッと鋭くなった。
「夕希ーそれは無防備だぜー気をつけろよ。」
「ひぅっ!?ありがとう気をつけるよ」
こんなことでも少女の性欲を刺激してしまうのか。気を付けないと。よし、しっかり後ろを向いて、、
その時にこの季節に合うとても良い道具を見つけてしまった。教室に備えついている立つタイプの扇風機である。この文明の利器を使わない手はない。
結果的にこの判断が失敗だった。
「お扇風機あるじゃーん!この風をシャツの中に入れて、、」
チラリズムが発生しない様に服の中に風が入るようにして、扇風機の<<強>>にボタンを入れる。
「おおお涼しいぃぃ!!」
僕の汗のにおいが扇風機の風でぶわああぁぁぁ!!
僕の胸元を見て興奮した少女の元へどぉおおおーーん!!
「は!?しまった!」
大☆惨☆事☆勃☆発
「…ゆふうちーーん…ンヘヘヘ…んへへ
怖くないよー脱ぎ脱ぎしようねー?」
「夕希?なんかよくわからないけど体が熱いんだ…助けて、、具体的にはそのパンツの下の神棒で」
「夕希君…夕希君から先に誘ったんですからね!私は何も悪くないですからね…」
少女たちの目はドロドロに溶けていて、手はワキワキとせわしなく動かしていた。
そんな動きをしながらもじりじりと数ミリずつ夕希へと距離を詰めてくる。
控えめに言っても恐怖以外の何でもなかった。
おおふ、汗には多くのフェロモンが含まれていると聞いていたけど、まさかこんなことで…
完全に油断していた。落ち着いて…諭すんだ…この猛獣たちを!
ていうかどうすればいい、考えろ、僕はどういうときに性欲が萎える?
数瞬の逡巡の後…そうだ、お母さんを思い出した時だ。
ということは少女たちにとってはお父さんを思い出したときに性欲は収まるはず!!
この際、僕の演技はがばがばでもいい!見せつけろ!僕の父性を!
「ところで、みんな最近の学校生活はどうかね?
勉強にはついていけているかね?」
「そうですね、保健体育の授業が分かりませんの、教えてくださいませんか?
手とり足とり(ニッコリ」
「おらぁ!服脱げやああああ」
ダメだ!この世界はお父さんにさえ欲情する変態達ばっかりだった!!
作戦2!ム〇ゴロウ先生の真似だ!
ム〇ゴロウ先生は女性という肉食獣を扱うプロだ!数年間この女世界の中でうまく立ち回っていた伝説の男だ!
やるしかない!
僕は先頭で突っ込んでくる赤髪を抱きしめて全力であの言葉を言う!
「よーしよしよしよし!よーしよーし!!」
赤髪をくしゃくしゃになるまでなでる。
先生はこのように多幸感を与えることで女性を気絶させて、身の安全を守っていた。
でも、最近失敗して集団に襲われたんだっけ??
そんな懸念は何のその赤髪の少女は僕の胸元で幸せそうな顔をして気を失ってた。
この作戦いける…確信した…と思ったが残りの二人は盛大によだれを垂らしてこちらを見ていた。
「ふぅうう!ふすぅうう!ふしゃああああ」
「わたしにもそれおねがいしまーーーす!」
ひぃえ!?ここから僕の記憶は途切れる。