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修行の巻き!!

 藍先輩は僕たち二人を教団の修行場所に連れていくということで風紀委員さんとはここでお別れということになった。その際に連絡手段として一台のピンク色の携帯を渡されたのだが…。

 

「その携帯で毎日、鬼怒川風紀委員長に連絡をしてください。それと…その携帯は私の私物なので…できれば壊さないでもらえるとありがたいです…。」


 と目を潤ませながら頼みごとをされた。可哀そうに…鬼怒川風紀委員長に頼まれて断れなかったのだろう。

 

「私友達少なくて…電話とかメールが来るのもお母さんくらいだと思うから…無視してもらったら大丈夫です」

 

 そう一言付け加えられた時、思わずほろりと涙が零れる。やっぱりこの風紀委員さん苦労人だな…。この携帯だけは大事にして絶対に返してあげようそう心に決める。


 △▼△▼


 託された携帯を持って、藍先輩に連れていかれた先は大きな協会だった。全面にタペストリーが張られ、燭台の向こう側には荘厳な壁画がかけられている。しかし、ただ一つこの場にそぐわないものがあった。

 …それは最奥に設置された小さな偶像だ。

 

「ああ…気になるでござるか?それ?」


 興味深く観察をしてると藍先輩が声をかけてくれた。

 警戒している藍先輩からの声ということもあって僕は背筋がピクリと伸びてしまう。しかし、そんな様子を気取られないように精一杯平静を装って言葉を返す。

 

「そうですね…なんていうか、趣深い形ですね…」

「あーあー、そんな言い方しないで大丈夫でござるよ…趣深いじゃなくて、小汚いって」

 

 確かに、偶像は金色で出来てはいるもののそのメッキは所々剥がれていて、細かい凹凸が擦り切れていた。股間部分のもっこりが無ければ男であることすら分からない程の小汚さだ。


「なんで、偶像がこんなのなんですか?新しくしたりしないんですか?」

「それ、うちの教祖の手作りでござってな、手先が器用じゃないからわりと元からぐにゃぐにゃの状態だったでござるよ。」

「へぇ…これがめいちゃんの…」


「教祖いわく『自分の想う男性をそれに重ね合わせて祈れ』って事らしいんでござるよ、うちの団員のほとんどはそれに天川夕希って子を重ね合わせて祈ってるみたいでござるがな」


 そういって試すように僕の目の置くを覗き込む藍先輩。やっぱりこの人…まだ確信には至ってない様でカマをかけてきている。だから僕は平常心を保ちつつ精一杯目を逸らさないように視線を返した。

 その間…数十秒の長さに感じられるほど僕たちは見つめ合っていた。

 タラリと額に汗が流れるのが分かる。それでも、反応してはいけない絶対に気取られてはいけないのだ。

 その緊張感を切り裂くようにネルちんが口を開く。

 

「あれ?二人ともどうかしたの?今日は修行しないの?ならあたし帰ってもいい?」


 救われた…その言葉によって、興を削がれたらしい藍先輩は僕から目を外して案内を続けてくれた。

 

「すまんすまん…でござる!ここから一度共同修行に入るから、祈祷場に案内するでござるよ」


 

 協会の入り組んだ通路を抜け地下へ下る階段を抜けた後に広い部屋へ着いた。そこには20人いや30人程だろうか…。とにかく、それほど多くの人一列に座ってが偶像に祈りを捧げていた。

 

「まずはここで他の者たちと同じように祈祷を捧げてもらうござる、まずは自分の真似をして欲しいでござるよ」


 そう言うと藍先輩は列に加わって、同じように座った。両手を合わせ、目を瞑り…。そんな様子を見て僕とネルちんも真似をする。ええと…こうやって、手を組んで、目を瞑って息を整えて…。

 そうやって、藍先輩の次の言葉を待っていると…。

 

「ち〇ぽ、ちん〇、〇んぽ、ち〇ぽ、ちん〇、〇んぽ、ち〇ぽ、ちん〇、〇んぽ、ち〇ぽ、ちん〇、〇んぽ、ち〇ぽ、ちん〇、〇んぽち〇ぽ、ちん〇、〇んぽ、ち〇ぽ、ちん〇、〇んぽ、ち〇ぽ、ちん〇、〇んぽ、ち〇ぽ、ちん〇、〇んぽ、ち〇ぽ、ちん〇、〇んぽ」


 そしてスゥーと息を整えもう一度

 

「ち〇ぽ、ちん〇、〇んぽ、ち〇ぽ、ちん〇、〇んぽ、ち〇ぽ、ちん〇、〇んぽ、ち〇ぽ、ちん〇、〇んぽ、ち〇ぽ、ちん〇、〇んぽち〇ぽ、ちん〇、〇んぽ、ち〇ぽ、ちん〇、〇んぽ、ち〇ぽ、ちん〇、〇んぽ、ち〇ぽ、ちん〇、〇んぽ、ち〇ぽ、ちん〇、〇んぽ」


 は?僕の聞き間違いか?目を開いて藍先輩を確認するが間違いなく、うわごとのように「ち〇ぽ」を繰り返していた。

 そしてふっと、僕たちの方を振り返り。

 

「できるでござるか?」


 とドヤ顔で一言。

 

 

 

「「できるかああああ!!!!」」



 僕とネルちんは心からの叫びを上げるが藍先輩の喝が入る。

 

「かああああああつ!!できないと思うからできないのでござる!!まずはやってみるでござる!!ほらち〇ぽ!ほらち〇ぽって言え!!」


「い…言うか!!それに女の子がち〇ぽを連呼ってもっと恥じらいをもってだな!」

「そうだよ!それになんで言わないといけないの!?」


 猛反発も何のその藍先輩は真剣な表情だ。


「当たり前でござる!!これは恥を捨てる訓練!!何をするにもよこしまな心を持ってるからダメなのでござる!!ほらち〇ぽ!!自分の言い方に一片のいやらしい気持ちが無いから言えるのでござる。逆に言えばお主らがち〇ぽに対していやらしい気持ちがあるから言えないのでござる!変態!このおち〇ぽ奴隷!!」


「誰がち〇ぽ奴隷だ!?」


「ほほぉおお?じゃあ証明してもらおうでござるか?君が変態鬼畜どマゾ暴走機関車じゃないって事を!!」


「変態…どマゾ?機関車…?まあ何でもいいややってやるよ!!ねえネルちん!!」

「おうとも!!あたしもやってやる!!」


 △▼△▼

 

 その日の夜

 

『じゃあ、今日の報告をしてもらおうか…夕子さん』

「……」

『どうした、夕子さん?』

「ねえ…鬼怒川風紀委員長…ち〇ぽって何なんでしょうか?」

『え…どうしたんだ?いきなり』

「いえ…ただち〇ぽって何なんだろうなーって思って…」

『え…いや…その…は?』

「分かんないんです、さっきからち〇ぽのことが何がどうなればち〇ぽはち〇ぽなんですかね?」

『は?いや…その、僕も見たことが無いけど…男の股間についてて棒状のもので女を限りなく興奮させるものというか…ええと…』


 ゲシュタルト崩壊した夕希を救う鬼怒川風紀委員長の夜は長いのであった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 他のメンバーのマイペースさにに比べて風紀委員さんが苦労人過ぎて泣いた。
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