教室のみんな
教室に向かえば、赤髪、緑髪、2人の女の子が向かえてくれた。
「ゆうきおはよ!」
「ゆうちん!っはよ!」
二人とも、先程朝美に説明した夕希の友達である。
赤髪の子は快活、天真爛漫なポニーテール。
緑髪の子は元気いっぱいのツインテール。
(元気いっぱいで可愛いなあ…)
と夕希は思いながら満面の笑顔で挨拶を返す。
「二人ともおはよう!」
そういうと、二人とも小声で「ゆうきの笑顔見れるなんて…」とにやけたり、「ゆうちんと朝から会話なんてあたし勝ち組」ガッツポーズしたりしている。
そんな中緑髪の子が夕希の腕をとり、話しかけてくる。
「ねえねえ、ゆうちん。ねえねえ、昨日ねーあたしねー」
「ん、何?昨日どうしたの。」
「ゆうちんが夢に出てきてね、体を隅々までさすってくれたの。それでね天にも昇っちゃうような気持になっちゃったから、ゆうちんにやってほしいなと思って。」
緑髪の子は夕希と腕を組みながら、夕希の胸をツンツンとする。
それを見て赤髪の子は負けてられないと夕希の反対側の腕をとる。
夕希は困って「アハハ…」というしかなかった。
すると、後ろの方から…
「二人とも夕希様が困ってるじゃない。あとネル!ゆうちん呼びはセクハラになるからやめた方がいいわよ。」
蒼髪の女の子が会話に混ざる。
この子も夕希の友達であり、緑髪の女の子のゆうちん呼びをとがめていた。
この蒼髪の子はジェンダーの勉強を1年生ながらしているらしく、実際名称に<<ちん>>をつけることは、セクハラに当たる場合もあるとされていた。
それはさておき、指摘されたことによって、赤髪と緑髪の女の子が夕希の腕を放す。
「ありがとう、助かったよめーちゃん。あっでも、別にネルちんもゆうちんって呼んでいいからね。」
ゆうきは蒼髪の女の子にお礼を言いながら、緑髪の女の子にフォローを欠かさない。前世の経験上、こういうことをかかすと大きな問題になりかねないことを夕希は知っている。
夕希にフォローされた緑髪の女の子は嬉しそうに目を細めており、蒼髪の女の子は「やっぱり、夕希様は優しい。男神だったんだわ」と言った。
「男神だなんてそんな偉そうなもんじゃないよ…僕は」
「いえいえ、初めてお顔を見た時から思ってました。きれいな黒髪に、ぱっちりお目目、儚さを感じさせながらも力強さも感じさせる。これを男神といわずしてなんていうのですか!?」
蒼髪の女の子はなぜそんなこともわからないのかといわんばかりに強めに語ってきた。
そしてそんな強めに語ってくる蒼髪の女の子に夕希は若干引いていた。
「でも実際にゆうちんはすごくかっこいい」
緑髪の女の子も便乗する。
実際に夕希はやや中性的と表現されるもののかなりイケメンに分類されるし、世間一般に珍しいとされている黒髪の男性なのだ。
黒髪は男性が生まれにくい統計データが出ていて、黒髪の男性は島によってはそれだけで補助金が出ることもあるのだ。
それでも夕希は内心(まあ、男ってだけでイケメンにみえちゃうもんね…)と思っていた。
そんな中、赤髪の女の子が爆弾を落とす。
「夕希くんは顔だけじゃない。においもすばらしい。」
「え?」
「え?」
夕希と赤髪の女の子はお互いに顔を見合わす。
「においはさすがに変態チックだよ」
と幼女が道を踏み外さないように夕希はたしなめておいた。
夕希に否定されたことが赤髪の女の子はショックだったようで
「さすがににおいは冗談だよ!冗談!いやーゆうきくんは手厳しいなあ!」
と夕希の肩をポンポン叩く。かなり必死だった。
「夕希様に変態とか言われるとかうらやましすぎる…」
と後ろでつぶやく猛者もいたが…
そんな折
キーンコーン!カーンコーン!
「はーいみんな席着いて~」
教師が生徒をたしなめる。
「まっ!でも、ゆうきくんはもっと自分の顔がよいことを自覚した方がいいよ!そうじゃないと危ないもんね」
緑髪の女の子はたしなめ、席に戻っていった。
それに続くようにほかのみんなも散っていく。
今日は夜にも投稿します。