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初登校!!_2

 しかし、その後の説明はつつがなく進んだ。軽い自己紹介、今日一日の日程、簡単な校則と気を付けるべき点。重要なことを分かりやすく説明してくれる。

 そして最後は男児支援者制度の話だ。


「ところでダントクは初めてだって話だが、男児支援者も初めてか?」


「はい、特にはやったことは無いです。女生徒が男子生徒の学生生活を手伝ってくれる制度だっていう事は聞いているんですが…」


「ああ…だいたいそんな感じだ。ただ付け加えるなら、卒業してから男子とその支援者で結婚するケースも多いってことぐらいかな。これは決まり事ではないが、ケースとして多いってだけだ」

 

 八兵衛さんに聞いた話とだいたい一致している。

 やっぱり、長くいると仲良くなりやすいのか?でも、朝見た【不機嫌な男子】と【それに引っ付く男児支援者】の組み合わせも最終的には結婚するのか?

 いくつか疑問は沸いてくるが、そんな疑問は置いておいて先生の話に耳を傾ける。

 

「んで、お前の男児支援者ってのが五条八兵衛ってやつなんだが知ってるか?」

「知っていますよ、朝会いました」

「ああ、なんだ…それなら話は早い。今後学生生活で困ったことだあったら私か八兵衛に聞いてくれ」

「分かりました、今後はその二人に頼ればいいんですね」

「まあ、そんな感じだ…」

 

 これで重要そうな話ももう終わりかと思ったが、先生の歯切れが悪そうでまだ話すことがあるみたいだ。

 

「それでな、もう一つ八兵衛に関してお前に話しておかないことがある…まあ、あんまりあんまり大手振っていうようなことでもないんだがな」

 

 先生も顔をしかめながら話し出しの言葉を選んでいるようで、八兵衛に関する話というのは重要そうな話みたいだ。

 

「ううん、なんて言ったらいいんだろう…あのな、お前ってまあそれなり事情…?があってこの時期からの転校な訳だろ?」


「ああ、知ってるんですね。まあそうですね。襲われかけましたね。僕自身はそんな気にしていないので気を使わなくていいですよ」


「お前そんなあっけらかんと…!?まあ本人が気にしていないならいいか…それでな、この時期からで担当できる優秀な男子支援者ってのが八兵衛しかいなくてな…まあ、オブラートに言うと前担当していた男性と上手くいかなくて解雇されたんだ」


 言葉を選びながらもがっつりと芯を食った発言をする先生。オブラートに包むなどという言葉が揺らぐ。

 

「身内の話し合いで解決したらしいから、詳しい事情やどっちが悪いかなんかも聞いていないが、八兵衛が解雇されて今フリーでお前の担当をするという話になっているのは確かだ…別の人に変えてくれって頼むこともできるけどどうする?」


 なるほど…そういう話か…。彼女の男児支援者を断るかどうか…。朝会った時の彼女の印象を思い出す。口数が多い子では無かった、明るい子でもなかった。でも、自然体でキリッとしててかっこよくて、真面目な印象。上手くやっていけるかどうか確信は沸かないが、そんな彼女を断る気は生まれなかった。

 

「いえ、断るとかは彼女に悪いしやめておきます。それにいい子そうでしたしね」


 そういうと先生は目をパチクリとさせていた。

 そのまま、おもむろに立ち上がって僕の頭に手を伸ばす。

 

「天川って今の男子学生っぽくないな…。今って箱入りにされるがゆえに我が儘に育つ子とかが多いから…。うん、いい傾向だぞ!!」


 そういって背伸びして頭をワシワシ撫でてくれる先生。

 先生もこういう学校で働いているだけあって、男子の扱い慣れてるんだな…。少し照れてしまった…と思って先生の顔を見ると真っ赤になっていた。

 そして、目が合うと頭ナデナデはすぐにやめられてしまった。

 

「ま、っまあ…この後ホームルームがあるから、自己紹介の準備だけしておいてくれ…」


 そういってプイっとゲーミングチェアを回し仕事に戻ってしまった。

 

「あ!ホームルームまではそこの椅子で休んでてくれ…」


 こんなかわいい先生に会えてほっこりする。ニコニコしながら先生の後ろ姿を見続ける。

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