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破綻少女は死に想う  作者: 七天 伝
第一章 求めるもの
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呪塊という存在

色々あって遅くなりました。リアルの方で用事が多すぎて…(ストレス

 あれから数十秒後、少女は呪塊(カース)と会敵した。


「じゅ、呪塊!?やっぱりいたの!」


 少女はすぐに杖の先端を呪塊に向け叫ぶ。


「貫け!《氷槍(アイスランス)》!」


 杖の先端から氷の槍が放たれる。氷の槍は真っ直ぐに飛んでいき、10体いるうちの1体に深々と突き刺さる。貫かれた呪塊は黒い靄へと変わっていき、すぐに消えていった。


「KaraKaraRa!」「KaRaRaRaKa!」


 残り9体の呪塊は奇妙な鳴き声をあげると一斉に少女へと突撃する。先頭の呪塊が割れ目から黒い手を出すと少女へと突き出す。少女はそれを難なく避けると再び杖の先端を呪塊に向け「《氷槍》!」と叫ぶ。また1体その体を黒い靄へと変えていった。攻撃しては避けてを繰り返し、あっという間に呪塊は数を2体にまで減らす。


 あわよくば呪塊が少女を殺してくれないかと淡い期待を抱いていたが呪塊があそこまで弱いとは思わなかった。もしかしたら邪神とやらも大して強くないのかもしれない。


「《氷槍》!」


 少女の声を合図に放たれた二本の氷の槍が最後の2体を貫く。2、3分経ったところで呪塊側は全滅した。最後の呪塊が黒い靄へと変わっていったところを確認した少女の杖を持つ手が下がる。


 この時を待ってた。


 即座に大鎌を具現化する。木から飛び降りて一直線に背後を狙って飛び出した。体がとても軽く感じる。10メートル以上離れていた距離を一瞬で詰めていく。足音に気付いたのか目の前の存在は私の方へと振り向いた。だが、もう遅い。大鎌を横へと薙いだ。


「ッ!…なっぁ、へ?」


 直撃。左から右へと振りぬかれた大鎌はその存在を二つに分けた。下半身は膝から崩れ落ち、上半身は顔から地面へと落ちていった。持っていた杖はその場に落とし、流れ出る血によって赤く染まっていく。


「う…ぁ…ゴボッフぇ!」


 少女の口から血があふれ出ていく。顔は驚愕から痛みに濡れたものへと変わっていった。激痛を少しでも紛らわせるために叫びたくても口からあふれる血がそれを許さない。


「(殺せてなかったか)」


 上半身に大鎌の切っ先をむける。今度こそ仕留めようと心臓めがけて大鎌を振り下ろす。


「さよなら」


「ぃや…誰…か…たす、け…ぁ…」


 最後にに少女は助けを求める声を出すことが出来た。だがその声は誰にも届くことなく風に攫われて消えていった。


 目の前のモノが命あったモノから肉塊へと変貌すると、私の心のざわめきは何もなかったかのようにピタリとやんだ。体にあふれ出るのは高揚感。かつてこれほど甘美な感情を抱いたことはあっただろうか。


「ようやく、楽になった…」


 高揚感を表に出さないように抑える。高ぶる感情を押さえつけようとするのはどこか癖になっている。でも気分が落ち着いたのは事実だ。焦燥や怒りや恐怖。感情の発露には体力を使う。


「KaRaKaKa!」


「…まだいたのね」


 さっきので全部かと思っていたがまだいたらしい。興ざめだ。高揚感があっというまに薄れていく。


 それでも気持ちを切り替えなければいけない。この呪塊たちが私に敵意を持っているのならそれに応じなければいけない。


「はあぁっ!」


 一瞬で距離を詰めて1体斬り飛ばす。いつの間にか増えた呪塊を2体目、3体目と踊るように斬りつけていく。各個撃破されては大変だと私を囲むように一斉に呪塊が詰めてくる。

 大鎌を一振りして土煙の煙幕を作り出す。奴らが一瞬私を見失った隙に宙に向かって跳びあがる。その衝撃で土煙の晴れた地上を見るとこちらをを見上げる呪塊たちの姿が見える。


「…あと15体くらい」


 私が把握していなかっただけで思ったより呪塊は多く現れていたらしい。地上に降り立つと同時に背後が無防備な呪塊をくるりと大鎌で斬りつける。そのまま勢いにのせて外野の呪塊に斬撃を飛ばす。私を囲むように動いて奴らはそれをまとめて喰らい、残りの呪塊をあっという間に蹴散らした。


「Gisyaaaaa!」


「…まだいるの?」


 咆哮の主へと目線を移すとそこには巨大な蛇のような呪塊がいた。体を軽く身震いして私に向かって突進してくる。


「Giiiiii!!」


「ッ!」


 とっさに身を捻って横に避ける。私がさっきまでいた場所に巨体が突っ込んできた。


「危なかった…!」


 少しでも反応が遅れていたら直撃して体の半分がなくなっていたかも、なんて考えつつ大鎌を構えなおす。


ふと脳裏に「死」の一文字がよぎる。デスゲームが始まった時にも同じような感覚を味わった。これが死への恐怖を感じているのか、それが曖昧で分からないままなのだが。


 呪塊を見据えて斬撃を飛ばしつつ距離を詰めていく。命中した斬撃は巨体に傷をつくるものの致命傷にはなりえなかった。寸前にまで近づいた私はその巨体へと飛び乗り大鎌をおもいきり振り降ろす。


「Syaaaaaa!!GiGiGiGi!!!」


 呪塊は無防備な体を二つに分かたれた。鉄どうしを擦りあうような不快な声を上げて切断面から黒い靄を吹き出しながら呪塊はのたうちまわる。巻き込まれないように離れて牽制がてら斬撃を飛ばし続ける。一撃一撃が強力でなくと塵も積もれば山となる。呪塊の体をあっという間に傷だらけにしていく。


「GiiiSyaaaaaaaa!!!」


 ついに一際大きい咆哮をあげて巨体はピクリとも動かなくなった。尻尾の先端から黒い靄へと変わっていくのを見て一息つく。


「はあっ、はあっ、はあっ…、疲れた…」


 ただ、ただ疲れた。そうとしか表現のしようがない。もっと楽に倒せると思っていた。しかし現実は違う。呪塊を弱いとか言ったのは誰だっただろうか。それは訂正しないといけない。疲労感をグッと押し込めて心の中で倒した呪塊と自分に対して舌打ちをした。


アドバイス等があればよろしくお願いします


ペコリ((・ω・)_ _))

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