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33 全然違う

「・・・んで、渡されたのがこれかよ」


俺は両手の中に納まっている想像以上に見慣れている気がするその武器を見ながら空を仰ぐ。


「し、仕方ないんじゃないかな。シロガネおじさんが今渡せる最高の武器がそれだったんだから」


「そ、そうですよ。シロガネさんも、今ある最高傑作を貸してくれるって言うんです。あの人なりの敬意だったんですよ、きっと・・・」


「だからって・・・」


抜刀してその想像通りの刃を見ながら力いっぱい叫んだ。


「日本刀ってバカムズイもんよこすなよ!!!」


そう。日本刀って扱い難しいんだ。


シロガネ曰く「これをしばらく使え。多分俺の持ち合わせの中で一番強い・・・絶対折るなよ」という感じで渡された。


その美しい刃は若干の青色を帯びている。どうやらこれも先程聞いた媒介武器の一種らしい。銘は〈蒼月そうげつ〉。


もう一振り、短刀ももらったがこれまたとても綺麗。相当の業物と見える。銘は〈蝶々ちょうちょ〉。


この二振りの製作者はどうやらシロガネおじさんらしい。やはり鍛冶師統括は伊達じゃないようだ。


にしても、まさかこの世界に来て、この職業について、日本刀に出会うことになろうとは思わなんだ。


「まあでもちょうどいいんじゃない?、シロガネおじさんに言われた通り、防御が少し武器に頼りすぎてる節があるから、いい訓練になると思うよ?、日光剣なら変な打ち合い方したらすぐ折れちゃうし」


そんなアザレア先輩のフォローもいまいち頭に入ってこない。


この時、俺の頭の中ではこいつをどう扱うか、自分の記憶を走馬灯のようにたどりながら考えていた。


ちなみにこの世界では日本刀のことを日光剣というらしい。びっくりである。


まあでも、日本の刀だから日本刀って言ったように日光大帝国で生まれた剣だから日光剣というんだろうな。そう考えれば納得・・・


って、現実逃避してる場合じゃねぇ。


「・・・とりあえず、これからどうしようか」


今回の任務の最終目標である〈強奪者スナッチャー〉、イツキ・クジョウは転生者でありチート持ちの化け物。


いくらはぐれ者で王国から追放されたネトリの変態だったとしても、一応この世界では勇者御一行の一人なのだ。


話によればあいつが率いる組織というか盗賊集団もかなりの大きさになっているらしい。


ただ突っ込んで首取って帰る。なんて甘い話ではないのだ。


それに俺の武器、長剣と短剣が上がるまでどうやら一ヶ月ほどかかるそうだ。アダマンタイトを手に入れるのに時間がかかるらしい。


魔吸鉱は、実は俺が持ってたのでそれを渡しておいた。


「確かに、世界を脅かす犯罪集団のドンの首を取ってこいって急に言われてもどうすっかなぁってなるもんね」


どうやらこの仕事について長い(であろう)アザレア先輩でもこの状況にはお手上げに近いようだ。


「とりあえず小っちゃいところから潰して情報収集するのがはないのではないでしょうか。いきなり頭のイツキ・クジョウを取っても残党が何をするかわかりませんし、何かあったら他国々もいい顔はしないでしょう。光夜さんの武器が上がるのも待たないといけませんしね」


そうだ。確かに、今俺武器日本刀だもん。悔しいがこれで今すぐ戦っても九条に勝てる気はない。


「・・・そうだ!、じゃあカストドートに行こうよ!」


「また新しい名前だ・・・」


「カストドートなら教団の拠点もあるし、あの辺は被害も多いから何かしら掴めるかも」


「そうですね。この街にいてもできることは少ないですし、行ってみましょうか」


・・・というわけでわけわからんところに行くことが決定しました。


「・・・カストドートは国の名前です。かつて他国に侵略を繰り返した大国ウォリンタートが滅んだあとに生き残ったウォリンタート人たちが作った小民主国です。ほぼ難民で構成されてるので治安はあまりよくないのですが、過去にグランドナイフの一人だった方が建国者の一人で、コネも多いし、カストドート出身の団員も多いんですよ」


一人またも訳が分からずおどおどしていた俺を見てアシェペディアさんがちゃんとフォローを入れてくれた。


「ちなみに、私もカストドート出身なんだよ」


そうなんだ、知らなかった。


まあ、言ってなかったし知ってたらびっくりなんだけどね。


「・・・それで、どうやって行くんですか?」


「そりゃ・・・馬車と徒歩かな?」


「馬車はどこで手に入れるんですか?」


「・・・貸してもらうかなぁ、それかどれか行商人のに乗せてもらうか」


そういや俺も行商人の馬車でここまで来たわ。


・・・行商人か


「それなら俺にいい伝手があります」


これから似たような事例でたくさんお世話になるであろう伝手を思い浮かべながら、俺はもう一度空を見上げていた。

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